常繁寺のお参りの記録(1回目)
茨城県玉村駅

浄土宗のお寺さん、慈雲山千手院常繁寺。
創建は不詳とのことですが、お寺の傳によれば、逆井常繁が天文５年（１５３６～室町後期）に、北条家家臣である大道寺氏に攻められ逆井城落城、その際常繁は討死。
その菩提を弔うために、弟・逆井利光によって開創された、というもの。
たしかに、逆井城趾はこちらの目と鼻の先。
しかも境内には常繁の墓碑と一族の墓碑があることも考えれば、その関係性がはっきりしてきます。
またかつて、明治１２年ころには、逆井村尋常小学校があったという。
たしかに、道路から本堂を臨むと、参道が長い。
墓地も広い、駐車場も広い。加えて
お隣はおしゃれな公園となっており、お参りした日には、若い夫婦とそのお子らが、楽しそうに遊具で遊んでいる。
実はそこも寺領であったのでは、と容易に想像できます。
お寺さんとしての格というものが、その場に佇むと、静かに伝わってきます。
本堂廻りの樹々も大きく、その季節には枝垂桜がキレイなのでしょうね～だから駐車場が広いのでしょう

お参りした日は本堂正面を開放されており、ご本尊のあみださまとご対面！　なおかつ、ありがたくも御柱を設けていただいて、阿弥陀さまに繋がる結縁ひもがあり、真言信徒ながら、あみださまと結縁！　感激です！
境内をじっくり歩き回る。　古い墓石が目立ちますね。
浄土宗のお寺さんでありながら、大師堂があるという寛容さ。
あと、
逆井氏のご墓所のとなり、大きなお地蔵さまの座像があります。
このお地蔵さま、お体と台座の一部が、キレイに切り取られている。
？と思うと、台座に碑があり、先の大戦で　「金属供出」に出されていたと刻まれています。

子どもの頃、戦争で金属製の仏さま方が、弾・鉄砲などのために供出させられたことを聞いたことはありますが、実際の「金属供出」を見せられたのは、こちらが初めて。
戦争の悲惨さ・無常さ、お地蔵さまが身をもって示していてくださる。
お参りされる方のどれほどの方々が気づいているか、すこ～し心配ではありますが、大変意味のあるお祀りの方法だと思います。
～写真にはありませんが、このお地蔵さまのまさにとなり、こちらの地区から出兵され、無言の帰国をされた日本陸軍伍長どのの、大変立派なお墓があります。
たいへん不思議な対比ですね～

観音堂、鐘楼、と格あるお寺さんに必要なものがワンセット。

それにしても、お寺さんと、子どもたちの楽しそうな声は、良く似合いますね。　ココロが、ホッコリしました笑

猿島坂東三十三観音霊場第十一番札所（札所本尊：千手観世音菩薩・御詠歌：ぎゃくえんも　もらさですくう　さかさいの　ほとけのちかひ　たのもしきな）でもあり、
茨城百八地蔵尊霊場第５２番札所（札所本尊：元禄の延命地蔵尊）ある。