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愛知県三河地方の新城市巣山に在る(巣山)熊野神社に行きました。新城市は「しんじょうし」ではなく「しんしろし」と読みます。三河地方でも東三河に位置し、静岡県との県境の市です。織田信長・徳川家康連合軍と武田勝頼軍が戦った長篠合戦の場で有名です。
熊野神社のある巣山地区は、2005年に新城市と合併するまでは南設楽郡鳳来町でした。また、明治初期頃までは秋葉街道の宿場だったそうですが、残念ながら今はその面影はありません。そんな鄙びた所へわざわざ行った理由は、年に1日(数時間)開帳されるのが本日の「春分の日」だからです。
この地区にはかつて高福寺と栖雲寺があったが,明治の廃仏毀釈により廃寺となった。その後,高福寺の本尊であった阿弥陀如来は栖雲寺の聖観音菩薩と共に地元の人々によって熊野神社境内の堂に保管していたが、現在は収蔵庫に保管されています。
熊野神社の祭神は、伊邪奈美命、事解男之命、 速玉男之命。
729年に高福寺の守護社として創建、792年に熊野三所権現と称した。明治に入り事情により伊邪奈美命のみを祀り熊野一社と改称し、昭和5年に速玉男之命、事解男之命を追加し熊野神社と改称したとの事です。
新城市教育部に連絡し、開帳日と開帳されている時刻をお聞きした所、「毎年春分の日の13時から法要があり、法要後1時間程度は拝観可」との事でしたので、その時刻に合わせて向かいました。13時少し前でしたので、熊野神社に参拝。鳥居をくぐると直ぐ右側に巣山金毘羅大権現への石段があり、石段を上がるとお堂がありました。手を合わせてから戻って、少し行くと拝殿とその後ろに本殿。左側には摂社でした。
実は境内には収蔵庫はなく、先に約300m行った所に収蔵庫があります。らしい建物ですし、扉が開かれていましたので直ぐにわかりました。(収蔵庫は昭和56年に竣工)
地区の方が3名いらっしゃって「中にどうぞ。」との事でしたので遠慮なく入らせて頂きました。
正面の壇は中央に阿弥陀如来坐像(重文)、右側に聖観音菩薩坐像(重文)、左側に厨子に入った不動明王立像(県指定)、両脇に狛犬が一対で置かれていました。左側の壇には四天王像(市指定)と北条時頼坐像(市指定)。右側のショーウインドウの中に3つの懸仏(県指定)、制吒迦童子立像(市指定)、白衣観音像(市指定)、お面や諸々。その横に十王像が安置されていました。多数の仏像等があり見応え充分です。
阿弥陀如来坐像は高さ約90cm、一木割矧造、彫眼、漆箔。目尻がやや上がり、引き締まった体躯です。胎内墨書銘から1244年の行慶の作。聖観音菩薩坐像は高さ約80cm、寄木造、彫眼。こちらも目尻がやや上がり、腕が細いですが全体に安定感があります。頭に宝冠はなく、髪を頭頂部で高く一つに纏めてあります。胎内墨書銘から1250年の鏡慶の作。行慶、鏡慶ともいわゆる慶派直系仏師ではありませんので、慶派工房で修行した地方仏師でしょうか?いずれにしても出来の良い仏像でした。
不動明王立像は昨年浜松市美術館で開催された「みほとけのキセキⅡ」に出展されていましたが、やはり展示会とはイメージが全然違いました。
1年間でわずか数時間の開帳という超ピンポイントのため難易度が高いですが、機会があればもう1度拝観したいと思います。
熊野神社
手水
巣山金毘羅大権現への石段
巣山金毘羅大権現
拝殿と本殿
拝殿
摂社
収蔵庫
阿弥陀如来坐像(重文)
聖観音菩薩坐像(重文)
不動明王立像(県指定)
参考:「みほとけのキセキⅡ」での展示
十王像
懸仏薬師如来坐像(県指定)
懸仏千手観音菩薩坐像(県指定)
懸仏阿弥陀如来坐像(県指定)
制吒迦童子立像(市指定)
白衣観音像(市指定)
四天王像(市指定)
北条時頼坐像(市指定)
狛犬(市指定)
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