八葉蓮華寺

大阪府 河内森駅

大阪東部寺院巡りの2寺目は、1寺目の枚方市の西隣の交野市に在る氷室山 八葉蓮華寺です。
融通念仏宗で、本尊は阿弥陀如来。
交野市教育委員会の「指定文化財一般公開」に申込みして参拝させて頂きました。
こちらには快慶作の阿弥陀如来立像（重文）が安置してあり、以前から拝観したかったのですが、春と秋に各1日程度で、公開時刻決定済み、事前申込み制、定員有りという条件のため叶わずでした。今回はタイミング良く拝観できました。

826年、日照り続きで困った村人達が国司に訴えた所、国司はこの状況を天皇に報告した。天皇は弘法大師に祈願する事を命じ、弘法大師は傍示が嶽(竜王山)に登り、八大竜王を祀り祈願した所、竜が雨雲に乗って天に上るような空になり雨が降った。そして天皇は八大竜王を祀る寺を八葉蓮華寺と号し、その下に八つの坊を建てた。建暦年間(1211～1213年)の僧戦の際に京都清水寺に協力したため延暦寺に敗れ廃絶。その後、1321年に法明上人が交野に御化道(ごけどう)の際に八葉蓮華寺の跡に一小堂を建て、旧名の通り八葉蓮華寺と号し、融通念仏宗の道場とした。現在の八葉蓮華寺はかっての位置から一段西に場所を変え、1903年頃に再建されたものだそうですが現在は無住です。

傍示(ほうじ)峠を少し下った所にありますが、峠に向かう道は細くて擦れ違いができません。失礼ながら、よくもまあこんなところに という感じ。
山側に少し入った所にそれらしい収蔵庫と寺務所です。私は遠方からのため自家用で訪れましたが（駐車場無し、くろんど園地に停める）、他の皆さんは市内の方ばかりでしょうか、麓から上がってきた様でした。寺務所で市役所の方に氏名を言って協力金を支払って、書置きですが御朱印も頂きました。いよいよ収蔵庫内で快慶作の阿弥陀如来と対面です。（快慶作の阿弥陀仏は今年に入って3躯目、遣迎院と大行寺とこちら）高さ約82cm、やや目尻が上がり気味、お顔は若々しく感じられます。光背と蓮華座も当日のままなのは珍しいです。いつ、どの様な経緯でこちらに伝わったのかわかっておりませんが、大寺でもないにも拘わらず、綺麗な状態で800年間保管されていたのは驚きです。