なぜ、ホトカミを始めたんですか? 27歳が神社お寺にかける想い
神社やお寺を愛する27歳、ホトカミ代表吉田のインタビューです。
運営への熱い想いをまとめました。
「どうして神社お寺の投稿サイトを作ったの?」
「ご縁ポストってなんですか?」
という疑問も、全部この記事でわかります!!!
村上 太郎
神社お寺を知ってもらうため、100年後も読まれる記事を目指しています。毎朝の坐禅が日課。
2ヶ月間の引きこもり期間を経て生まれたホトカミ
小さい頃はどんな少年だったんですか?やはりずっと歴史好きだったんでしょうか。
僕はおじいちゃん子で、夏休みのたびに彦根市の祖父の家に遊びに行っていました。
彦根は国宝の彦根城があったりと、歴史豊かな場所です。
それに、祖父が隣の住職さんと仲が良かったこともあって、お寺にも親しみがありました。
といっても、小学生の頃は仏教が好きっていう意識は全くなくて、祖父が好き、彦根城が好きだと単純に思っていました。
歴史好きが開花したきっかけは、小学6年生の時に観ていた『利家とまつ』という大河ドラマでした。
同じ野球部のみんなはメジャーに挑戦するイチロー選手に夢中でしたが、僕だけは「前田利家になりたい」と思うほどに憧れていました。
中学生では、夏休みの自由研究も、前田利家・新撰組・法隆寺と3年間歴史をテーマにしました。
1年生の最初の社会のテストでは学年で1位をとって、携帯電話を買ってもらったのもいい思い出です。
とはいえ、高校生になると、バンドの活動に明け暮れるようになりました。しかも理系だったので、日本史や世界史も未履修。特に勉強することもなかったです。
再び歴史に興味を持ち始めたのいつのことなんでしょうか?
大学に通いながらプロのミュージシャンをめざしていたのですが、曲が作れなくなった時期がありました。
何を歌いたいかと迷う中で、歴史に学ぼうと考え直したのがきっかけです。
その後、ボーカルとして人前で歌ってきた経験を活かして、歴史について講演する仕事を始めました。
ご縁があって、2015年に東京の松陰神社の歴史資料館で講師をしませんかという話になりました。
僕が山口県萩市の松陰神社で松下村塾や吉田松陰について学び、東京の松陰神社で塾を開く、というものです。
お仕事をしているうちに、「私のお寺でも講演をしてください」という声がかかるようになりました。
名古屋や大阪に呼ばれて歴史のイベントやツアーをする仕事がだんだんと増えていきました。
歴史を面白く学んでもらいたい」と思っていた僕が、伊勢谷友介さんから喝をもらったのもこの時期でした。
ちょうど大河ドラマ『花燃ゆ』で吉田松陰を演じていた伊勢谷友介さんにお世話になる機会があったのです。その時に、「面白くやるだけだったらバカでもできる」と言われてしまいました。
そこからは自分の仕事の意味を見つめ直し、「文化の力を高めることで、人類の共存に貢献したい」と広い視点で考えるようになりました。
2016年の4月には株式会社DO THE SAMURAIを立ち上げました。
その時の仕事はすごく楽しくて。好きな歴史について講演をして、お客さんも喜んでくれて、充実していました。
武士道を伝えるべく「真田幸村の辞世の句ふんどし」を作ったりもしていましたね。
でも、なんとなくモヤモヤが心に残っていたんです。「法人化をしたけれども、今までの仕事って個人の講演受託の延長でしかないのかもしれない」と。
「このままじゃダメだ、何かを手放さないと新しいものは手に入らない」と思い、今までの仕事を全部やめました。
僕にとっての天下分け目の戦いだと思って、関ヶ原の戦いの日の9月15日まで2ヶ月間、自分は何をなすべきかを考えることにしました。
仕事がうまくいっているときに、普通は大きな転換を考えないと思います。なにか深く考え直すきっかけがあったのですか?
その頃、就活中の学生さんから「DO THE SAMURAIで一緒に働きたい。
歴史なんて勉強しても意味がないと言われたりもしたけれど、好きな歴史を仕事にしたい」と相談を受けました。
僕はたまたま好きな歴史を通じた仕事をすることができていました。
でも、僕が今までの仕事をし続ける限りでは、自分の分しか稼ぐことはできません。「歴史や日本文化が好きでそれを活かした仕事をできる人をもっと増やせたら」という想いが、それまでの仕事を考え直すきっかけでした。
その2ヶ月間はひたすら考えました。歴史についてもさらに勉強をして、一方で市場調査もしました。
「ユニクロの和服版、ワニクロってどうかな」と思ったら、ユニクロのビジネスを調べたり。
その中でも、神社やお寺の投稿サイトの構想が深まりました。
神社やお寺って、ネットで検索しても難しい情報しか出てきません。
スマホも対応していないし。大事なはずの画像も全然ありません。
その一方で、神社やお寺はもっと多くの人に来て欲しいと思っています。
僕の周りには、参拝者や檀家が減ることに危機感を抱いている、若い神職さんやお坊さんがたくさんいます。
でも、そういう神社やお寺ほど、ウェブサイトを作れる余裕がありません。
そんなある日、檀家さんとつながりたいというお坊さんから、サイトを作ってほしいと依頼がありました。
サイトの作成中、彼の祖父が亡くなりました。彼はその時「祖父が亡くなる前に、お寺の歴史をウェブに残しておけてよかった」と言っていました。
僕は、神社やお寺の情報を残しておけるサイトを作ることに意義があるかもしれない、と思いました。
また、福井のあるお寺に遊びに呼んでもらいました。
帰りがけに、お寺についてGoogleに投稿して欲しいと頼まれたのです。
その時に、お寺への想いを共有する人の集まるサイトを作れるのではないか、とも思いました。
神社やお寺に行きたいみなさんと、たくさんの人に来て欲しい神社やお寺をつなぐ、神社やお寺の情報・投稿サイトを作ろうというのがホトカミのアイディアの種でした。
考えれば考えれるほど、宗派を超えて神社やお寺の投稿サイトを作れるのは僕なんじゃないかなという想いも生まれたのです。
投稿には、お金で買えない価値がある
ホトカミをリリースしてからと今ではどんな心境の変化がありましたか?
今年の4月にリリースして1ヶ月後くらいまでは「とりあえずやるぞ」と、不安も一切感じずにでやってきました。
でも、登録者数も投稿数も思ったより伸びなくて。
半年以上僕が全力で時間をかけて、やっと投稿数が300に届く程度でした。
そういった状況の中で、まだ改良できるところがあるからまずは改良を重ねていく、という時期が続きました。
そんな中でも、SNSで「#ホトカミ」をつけて投稿を共有してくれる方や、
サイトの仕様を変更するたびに連絡をくれる人がいたりして、それだけで嬉しかったんです。
そういう方の存在が励みになってつらい時期も続けることができました。
7月くらいになって、ようやく「使いやすくなってきたよ」と言ってもらえるようになりました。
最近ではユーザー数も投稿数も着実に伸びて、皆さんに使ってもらっている実感が出てきました。
ユーザーさん同士の交流も生まれ、ホトカミを楽しんで使ってもらえていることがわかり、うれしい想いにあふれています。
僕全部ユーザーさんを覚えているし、全部投稿見ているんですよ。アイコン見たら、誰だかわかるくらいです。
今では、ホトカミを公式サイトとして利用してくださっているお寺さんも、増えてきました。小さな神社・お寺を支えたいという想いも実現できています。
歴史や文化が好きという想いから起業までしてしまう、その力の源には何があるのでしょうか?
僕がこうして歴史や文化への想いを実践し続ける源泉は、吉田松陰の教えにあります。
彼が大事にしている言葉の一つに『知行合一(ちこうごういつ)』というものがあります。
これは「知っているだけではなくてやってみて一つの本当の知恵になるんだよ」という意味です。
いいと思ったことはやり抜く。
”BE” THE SAMURAIではなく”DO” THE SAMURAIという社名にしたのも、そういう想いがあってのことでした。
最近では9月24日までに8888投稿を集めようという『ご縁ポスト』が盛り上がっています。『ご縁ポスト』はどういったきっかけで始めようと考えたのですか?
ご縁ポストとは?
実は、松陰神社で講演をしていた時も、クラウドファンディングをしたことがあるんですよ。
僕が山口県の松陰神社で学んで、東京の松陰神社で講演をするというものでした。
その時のリターンが、みなさんの想いを背負って、山口県の松陰神社で代わりに絵馬を書いてくるというものでした。
リターンで絵馬を代わりに奉納した人たちから、こんないいことがあったよと連絡が絶えなかったんです。
「お医者さんになったよ」だとか、「転職に成功したよ」だとか。それどころか「このあいだ、山口行ってきたよ」と、クラウドファンディングから2年も経ってから松陰神社へお礼参りに行く人もいたり。
それと同じことがホトカミでもできたらと思って、と考えついたのが『ご縁ポスト』だったんです。
それに、投稿にはお金以上の価値があるんじゃないでしょうか。
お金は、お金持ちの人を1人見つけて、払ってもらうこともできます。
でも、投稿ってお参りをした時の想いが詰まっているじゃないですか。それに、手間をかけて一つ一つ書いていかないといけない。
そういった投稿を通してみんなの力を合わせて神社やお寺を応援したいと思い、ご縁ポストを始めました。
昔は伊勢講や富士講といって、村の代表者が遠方の神社・お寺まで代参する文化もありました。
今回はインターネット上の「ホトカミ」という場所に集まった人たちの想いを受けて、今年出雲観光大使になった僕が、みなさんの思いを出雲大社にお届けすることでお返します。
今、ご縁ポストの終了まで残り少ない時間となってきました。
しかし、僕は数よりも想いを大切にして投稿してもらいたいと思っています。
気持ちのこもった投稿をお待ちしています。
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