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耕田院の日常(407回目)山形県羽前大山駅

「押し返し」

投稿日:2024年03月14日(木)
輪橋山徒然話 2024-3-12 「押し返し」

【事例1:授業時間が長いから学校に行かない】

小学校一年生の男子。小学校入学後しばらくしてから登校を渋るようになる。理由は「授業時間が長いから」と話す。学校としては、親に送り出してほしいという思いはあるが、「本人が嫌がるので」と親は子どもに言われるがままである。

【事例2:都合が悪い状況で「いじめ」と主張する男子】

小学校四年生の男子。同級生とのやり取りで自分の要求が通らない状況や否定的な場面で「いじめられた」と主張する。例えば、自分がやりたい遊びができないとき、ドッジボールで当てられたときなどにそういった発言が見られる。親は男子がいじめられていると考え、対応や謝罪を学校に要求する。

藪下遊、髙坂康雅『「叱らない」が子どもを苦しめる』(ちくまプリマ―新書)

◆スクールカウンセラーの藪下遊さんは、子どもたちが叱られる経験の不足により、「思い通りになるのが当然」という考えを持つようになってしまっていると指摘する。この問題は、思った以上に、子どもたちが成長過程で直面する挑戦や困難に対処する能力に大きく影響を与えているという見方だ。

◆そして、「当然」の背後あるのは、その子がいじめられていると感じたらそれはいじめという前提。学校は「それはちがうでしょう」とは簡単には言えない。学校に行かないことの原因ではなく、責任をはっきりさせたい保護者。

◆子どもたちが事例1.2とは違い、「外の世界」と積極的に関わり、自信を持って生活する子どもたちは、ごく自然に「外の世界」からの適切な「押し返し」、すなわち叱る、止める、諫めるといった行為を受け入れている。発達段階に即した心の成熟があるのだ。

◆現代社会においては、少子化の中で「自由にさせてあげた方が良い」という風潮が強く、子どもたちが必要な「押し返し」を受ける機会が極端に減少している。そこにそもそもの問題があるというのだ。この状況が、子どもたちが小さな挑戦や困難に直面した際に、簡単に諦めたり、逃げ出したりする傾向を強めてしまっている。

◆子どもたちが健全な心の成熟を遂げるためには、適切な時に叱ることの価値を理解しなければならない。つまり、「押し返し」を子どもたちが成長の機会と捉える視点だ。

◆叱ることは決して子どもを傷つけることではなく、自分と世界を理解し、適切に対処する力を身につけさせるための重要な過程なのだと親も認識する必要がある。不登校の問題を単なる学校や家庭の問題として捉えるのではなく、子どもたちが社会で生きていく上で必要な「耐える力」を育てる機会として捉え直すことなのだ。AIの時代の今、学校で教えることは「耐える力」として、組み直すべきなのかもしれないとさえ思う。

◆これは、子どもたち一人ひとりの未来だけでなく、社会全体の未来を豊かにするための投資と言えるだろう。子どもたちが健やかに成長し、困難に立ち向かえる強さを持つためには、「耐える力」それを育む「押し返し」が不可欠なのである。

◆強権的な「押し返し」が昭和。令和はもう一度「耐える力」とそれを健全に育成するこの時代の叱り方」「押し返し」のあり方を探っていかねばならない。当然ながら感情的な「叱り方」はあってはならない。

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耕田院(山形県)

すてき

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