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耕田院の日常(396回目)山形県羽前大山駅

「サクラマス」

投稿日:2024年03月02日(土)
輪橋山徒然話 2023-3-1  「サクラマス」

ああ小魚たちの群れキラキラと
海の中の国境こえてゆく
あきらめという名の鎖を
身をよじってほどいていく

「ファイト!」中島みゆき

◆小さな命、鮭の稚魚が今年も放流されたというニュースが流れた。

◆小学2年の子どもたちと鮭の学習をしたことがある。まず、秋に鮭の遡上を見学する。仕掛けられた檻にはいる鮭の腹をさく。その取り出したイクラから生まれた稚魚を孵化させ、育て上げ、放流する。小学校2年の「命の学習・生活科」のプログラムだ。

◆この学習のしめくくりが鮭の稚魚放流なのだ。この鮭の稚魚はちょうど小学校を卒業する年に故郷の川にそ上する。

◆この時期の鮭は小さいながらも獰猛な顔つき変化している。川に放たれた彼らは、一瞬その場に留まろうするが、すぐに身を翻し海をめがけて川を下る。

◆稚魚の放流は、新しい季節の始まりを予感させる節分の行事だ。さし上した鮭の頭を割り、腹をさきと目の前で生命の尊さと強さと厳しさを学ぶ貴重な学習でもあった。

◆今日、3月1日はこの辺りのサクラマス漁の解禁日だ。冬の始まりと終わりを告げるのは鮭とすれば、春の使者はサクラマスだ。

◆サクラマスはこの辺りでは春の祭りに欠かせない。旬であるというだけではない。何よりもの主役であり縁起物である。作家で精神科医の斎藤茂太さんのサクラマスについての蘊蓄を聞いて改めて腑に落ちた。

◆斎藤茂太さんは、まず「人生に失敗がないと、人生を失敗する」という。失敗から逃げてはいけない。失敗を避けることではなく、それに向き合うことの重要さを教えているのだが、そして、「サクラマス」は生まれた川での争いに負け、つまり失敗して、そこから逃げだした魚なのだというのだ。

◆斎藤茂太さんは言う。

ご存知だろうか、川での生存競争に敗れたヤマメが海へ下り、豊かな海の餌を得て大形化し、サクラマスになるという事実を。この物語は、一見敗北のように思える瞬間も、諦めずに進めば新たな可能性が待っていることを示している。

◆川という淡水から海水へ環境を変えヤマメはサクラマスに進化したのである。失敗や挫折は新たなるチャンスとなりうるのだ。

◆さて、これから始まる3月はある意味人生の岐路に立つ時でもある。よかったと胸を撫で下ろすもの、悔しくてたまらぬものさまざまであろう。きっと失敗したと思うことの方が多いだろうと思う。しかし、忘れてはならないのはサクラマスのように、生まれた場所から追われてもおわりでないということだ。つまり、自分に見切りをつけなければ、人生に負けはないのだ。

◆それにしても、雪が雨に変わり、山で雪崩がおこり、その雪が溶けて川へと流れ込む。雪代水と呼ばれるこの現象は、例年だともっと先のことなのだが、今年はもう随分前から始まりっているそうだ。この調子だとサクラマス漁の最盛期に川が水枯れるぞなどと本気なのか冗談なのかそんな話も聞いた。

◆桜の花が咲く頃に旬を迎えるサクラマスは、春祭りの季節と重なる。この辺りでは秋の豊作を願う象徴でもある。


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耕田院(山形県)

すてき

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