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耕田院の日常(365回目)山形県羽前大山駅

地獄に落ちた紫式部

投稿日:2024年01月29日(月)
輪橋山徒然話 2024-1-29. 吉高大河

白珪尚可磨  白珪(はっけい)は尚(なお)磨 (みが)くべし
斯言易為緇  斯(こ)の言(げん)の緇(くろぎぬ)と為(おさ)むべからず
      
◆不妄語戒とは「うそをついてはいけない」という仏道の「戒」だ。そして、ついた嘘は消えることがない。紫式部は不妄語戒を犯して、地獄に落ちたという話が今朝の徒然話だ。

◆「白珪」とは白い玉のこと。天子が諸侯に封じる時に授ける玉だという。これに対比する「緇(くろぎぬ)」とは、僧侶などの黒い色の衣など黒色を指す。自らの言動が自らの白い玉に黒い染をつけるということだ。「白珪」は、もしも傷ついたとしても、磨けば元の輝きを取り戻すがこの黒い染はいくら磨いても落ちないということなのだ。

◆つまり、言葉による「罪」を戒めているのだが、それはどのようなことだろう。

◆仏道修行のうえで、守らなければならない10の重要な戒律がある。それは、不殺・不盗・不淫・不妄語・不酤酒・不説四衆過・不自讃毀他・不慳惜加毀・不瞋心不受悔・不謗三宝の十戒。十重禁戒と呼ばれるものである。この4つ目が言葉を戒める戒なのだ。

◆不妄語戒とは、悪口(汚い言葉)、両舌(二枚舌)、妄語(うそをつくこと)、綺語(おべんちゃら)のすべてを「妄語」という。

◆紫式部は不妄語戒を犯して地獄に落ちたとは如何なることなのだろう。

◆実は、「紫式部」が不妄語で地獄に落ちたと言う話が仏教説話「今物語」(鎌倉時代)にあるのだ。それは、次のようなくだりだ。

ある人の夢に、形のはっきりしない影のようなものが現れたので、何者かと尋ねたところ、紫式部だという。

その紫式部は、そらごと(虚言)ばかりを集めて人の心を惑わしたために地獄に落ちて苦しみを受けることになり、耐え難い思いをしている。そして『桐壺にまよはん闇もはるばかりなもあみだ仏と常にいはなん』と言った。

◆源氏物語の各章を読むごとに「南無阿弥陀仏」と唱えてほしいということなのだ。現代のような虚構の上に真実を表現する時代と違い、紫式部の時代では「そらごと」は仏の戒律に背いているというのである。源氏物語は、狂言綺語。そう考える時代だったのだ。ついには「源氏供養」という法要も営まれたそうだ。戒を破っても読みたいほど面白いということでもあるのだ。

◆さて、「光る君へ」の令和の紫式部は吉高由里子さんだ。写真の普賢菩薩にちょっと似ている彼女は、天然なのか、はたまた、計算し尽くされた演技なのか変幻自在だ。願わくば、毎回「南無阿弥陀仏」とお唱えしますから、みんなの気持ちが明るくなるような、吉高大河にしてほしいと切に思う。

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耕田院(山形県)

すてき

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