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耕田院の日常(317回目)山形県羽前大山駅

「○△□」仙厓禅師

投稿日:2023年07月11日(火)
もうけるは「儲る」と書く。なるほど!!と思った。漢字は幾つになっても新しい気づきをもたらしてくれる。輪橋山徒然話。2023/6/25

◆仙厓禅師(せんがい)は、江戸時代の人。聖福寺の住持であり、臨済宗の古月派を代表する名僧だ。晩年には数多くの書画を描いた。そのなかでも仙厓の「禅画」は、「厓画無法(仙厓の絵には決まった法などない)」といわれる。どこまでいっても自由な画風。虎や布袋さんなど一見すると幼児の絵に見えたりする。しかし、そこには不思議な魅力がある。

◆たとえば仙崖禅師が書いたとされる「○△□」。その意味は、奥深い。

◆□→△→◯と一つ一つ「角」をなくしていくことから「禅の修行」のこと。あるいは「命」をバラバラにすると「○△□」に分けられることから、全ての生きとし生けるもの、あるいは大宇宙といった意味ともなるそうだ。

◆高森顕徹先生の「光に向かって100の花束」に仙崖禅師が取り上げられていた。次のような話だ。

九州博多の聖福寺の和尚であった仙崖が、あるとき、大福帳とそろばんの絵をかき、その上に賛をした。

「手もとを上ぐれば向こうにゆく。手もとを下ぐればこちらにくる。わするな、わするな」

 そろばんというものは、手もとを上げると、玉はガラガラと向こうにゆく。手もとを下げると、玉はガラガラとこちらへくるものである。
 それと同じで、品物を悪くして値段を上げると、お得意さんもガラガラと向こうにいってしまう。
  品物を良くして値段を下げると、お客はガラガラとこちらのほうにきて、商売は大繁盛する。忘れるなよ、忘れるなよ、といましめている。

高森顕徹先生は、「屏風と商売は曲がらにゃ立たぬ」を例にして品物と値段の関係を信用という言葉で説明している。

「曲がらにゃ立たぬ」と、あくどい商売をする者がいるが、決して成功はできない。
「ドカ儲けすりゃ、ドカ損する」
といわれるように、曲がったことで金儲けすれば、一時は儲かるかもしれぬが不信用もえて、必ず後がふさがるものだ。

信用は巨万の財産である。儲かるという字は、“信用ある者”とあるではないか。

◆つまり、儲けとは「信用」をうることなのだ。そろばんを置きながら「儲けよう」「儲けよう」「少しでも高く売ろう」とばかり思っていると結局のところ真の「儲け」にならないということだ。売り手と買い手の「信用」をどう紡いでいくかが経営なのだ。

◆結局高いものを買わされたという思いができてしまうと値段勝負の「ネット」でいいということになる。

◆厳しい世の中だ。

◯瀬戸内寂聴さん(老を照らすより)
人に誹られたり、逆境に立っても、それらを「縁」として活かせないか前向きに考えてみましょう。仏様はやさしいですから、いかに不器用でも、努力する人、前に進もうとしている人を決して見捨てたりはしません。

◯仏様を信じて、いつでも修行。仙崖禅師の□→△→○ということだ。

いつもニコニコハラタテマイゾヤソワカ

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耕田院(山形県)

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