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耕田院の日常(310回目)山形県羽前大山駅

「箱選び」

投稿日:2023年07月04日(火)
「箱選び」について考えた。輪橋山徒然話2023/6/18

◆明日は桜桃忌だ。

◆太宰治が防空壕の中で子どもたちに聞かせた「御伽草子」。その中に舌切り雀が取り上げられている。いじわるなおばあさんの選んだ、大きなつつらが重くて、雪の中で歩けなくなり、とうとう死んでしまうという結末だったと思う。

◆昔話「舌切りすずめ」でも、おじいさんは年寄りだからと「小さなつづら」を選ぶが、おばあさんは「大きいつづら」を選んでバチがあたる。人生は正しい生き方、正しい選択をしなければならないことを教える。

◆舌切り雀の選択は子どもが大好きだ。

「大と小どっちがいい」と聞く。
はじめは、皆「小」という。
「ほんとに、小さい方でいいの」
「小さい方がいいんだよ」
「ほんと?」
「じぁ大きい方にしようかな」
「えー本当に」

◆浦島太郎の玉手箱と同じだ。「箱」が審判を下す。玉手箱は開けるなと言われて、開けてしまう人間の弱さ。雀のつづらはもらった人の欲深さに罰を与える。どちらも共通するのが「ふたのしてある箱」だ。中身のわからない「箱」、この「箱選び」はクライマックスを演出する最強のアイテムなのだ。

◆かのウィリアム・シェークスピアの「ベニスの商人」にも「金、銀、鉛の3つの箱箱選び」がある。だ。

◆娘の父は、娘との結婚を望むものは3つの箱から正しいものを選ばなければならないと遺言を残していた。3つの箱はそれぞれ金、銀、鉛できていて箱にはそれぞれ異なる格言が刻まれていた。

金の箱には「我を選ぶ者は、多くの者が望むものを得るべし」
銀の箱には「我を選ぶ者は、己にふさわしいものを得るべし」
鉛の箱には「我を選ぶ者は、持てるものすべてをなげうつべし」

それぞれの求婚者は、この言葉を参考にして1つの箱を選ぶのだ。

◆一見すると金と銀の箱はそれぞれ外見が豪華である。鉛の箱は地味で見劣りするので、複数の求婚者が金銀の箱を選んだ。しかし、最終的に娘の心を真に理解していた男性が鉛の箱を選ぶ。その理由は、「真の愛は外見や贅沢さではなく、内面にあると。」そして、見事娘の婿の座を得た。さて、この婿はバサーニオ。娘の名前はポーシャ。ポーシャはこのあと「ベニスの商人」の「肉1ポンド」裁判で大活躍する。

◆さて、人生には様々な選択の時がある。「大にするか小にするか」「金にするか、それとも銀かあるいは鉛か」。中国の道家の思想では、流れに身を委ねるべきだと説くそうだ。特に荘子は、人生に選択などないとさえ考えている。いわゆる万物斉同(ばんぶつせいどう)という考え方だとか。それもアリなのだろう。

◆瀬戸内寂聴さんの人生は「困難な方・苦しい方」を選び続けた人生だ。「チーズはどこにへ消えた?」の小人は、その場に留まるよりも変化を受け入れ、一歩踏み出す選択を教えている。

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耕田院(山形県)

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