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耕田院の日常(263回目)山形県羽前大山駅

死者は生者の中にいることに気づく時

投稿日:2023年05月01日(月)
◆「わたしはお母さんの顔を覚えていない」と言って祖母が涙をぽろぽろ流したそうだ。そのとき、九十歳を過ぎた祖母が、母親を慕う幼い女の子に見えて言葉を失ったという。

◆童話作家のあまんきみこさんが語る。

人は誰でも木の年輪のように心の芯のところに赤ちゃん時代を持ち、次に幼年期、少年少女青年期、壮年期そして老年期を抱え持っているかと思いますが、それが鮮やかに蘇る時があることを、まだ若かった私は 祖母の涙で教えてもらいました。

◆あまんきみこさんは、1931年に旧満州で生まれた。父親が南満州鉄道の系列会社に勤めていて、祖父母、父と母、2人の叔母、そして、ひとりっこだったあまんさん。7人家族だったそうだ。しかし、終戦。大変な苦労の末に1947年3月、大阪に引き揚げた。佐世保から大阪へ列車で向かう途中、原爆が投下された広島の街を目に、母と車窓から手を合わせたという。

◆しかし、満州での暮らしと引き揚げの心労で母親は胃がんを患う。ひとり娘の将来を案じて、あまんさんに結婚を勧め、婚約を見届けるようにして、その翌日、43歳で永眠した。

◆あまんさんは言う。

一人っ子で甘やかされていた私は別れが辛くて長い間落ち込み、泣いていました。そんなある日、「泣き虫さん泣いてばかりいると、見えるものが見えなくなるでしょう」という言葉が聞こえてきました。これは幼かった私の涙を拭きながら母が言っていた言葉でした。私はその時自分の中に母がいると感じました。「死者は生者の中にいること」に初めて気がついたのですと。

◆そして、子どもを授かりあまんさんはいう。

そのためでしょうか。子どもを胎内に宿したとき、母はこんな思いだったのかと言う喜びと感慨がこみ上げ、赤ちゃんが生まれると、私はその時の母の思いを重ね、同時に自分が抱きしめている赤ちゃんの感覚を、その子からもらっている気がしました。子供は二人育てましたが、二人が育っていくとき、私は母の人生、自分の人生、そして子供の人生が三重になっている喜びを感じていたのです。

◆子育てが無理だという風潮があるという。産まない理由、産めない理由様々あるだろう。
さて、AIロボに150字でと聞くと次のように答えた。

少子化問題には経済的理由、働き方の問題、教育制度、ジェンダーの不平等、都市化などが関与している。解決策として、経済格差縮小、働き方改革、教育の多様化、男女平等の促進、地域活性化が求められる。政府、企業、地域社会が連携し、子育てに対する風潮を変えることで、少子化問題に対処できるだろう。

◆それは、そうだろう。しかし…何か足りない気がした。

◆瀬戸内寂聴さんは言う。

(幸にも授かったその命であるお子さんに)「何のために生きるの?」と聞かれたら、「誰かを幸せにするために生きるのよ」と答えてあげて下さい

◆次の世にそのような思いをつなげることも大事なのではなかろうか。

◆いつもニコニコ。一筆啓上付箋写経。
                      lit.link/oyama1049
耕田院(山形県)

すてき

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