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耕田院の日常(217回目)山形県羽前大山駅

「発達障害」

投稿日:2023年03月14日(火)
あなたとわたしの「発達障害」について考える。

◆ある教室の風景だ。

「もう! なんでだよ!」とおこっている子どもがいる。
「どうしたの」と聞く先生。
「これだよ!」と計算ドリルを投げつける。
「全部できたと思ったのに、くやしい~!」。
「まちがえてるのは一つだけじゃない」。
「ドリルを拾いなさい」
「ものにあたってはだめじゃない」
「聞こえないの、拾いなさい」
「一つもまちがえたくなかったの! くやしい、くやしい、くやしい~!」

◆お気づきであろうか。この教室では教師と子どもはすれ違ってしまっている。昔のように、先生に権威はなし、絶対ではない。

◆このようなことをスタートにして、学級崩壊など大変なことになってしまうことがある。

◆「くやしい」という気持ちは、誰でももつ感情である。しかし、子どもたちの中には、この「くやしい」気持ちを切り替えることが難しく、実際の教室でも時には大爆発してしまう子どもがいる。やがて、この子どもは、このようなことを日々繰り返すようになる。教師の「ドリルを拾いなさい」「ものにあたってはだめよ」の頭ごなしの指導は逆効果であり、問題はそこにはなく、そもそも聞こえていない。

◆そのうち教室離脱。授業はストップ。「その子は困るし 周りもこまる」これが発達障害の現実だ。 

◆NHKの2チャンネルに「でこぼこポン!」という番組がある。発達障害の子どもが「困ったり、トラブったり」そのシチュエーションの中、お互いの困りごとを理解し、ソーシャルスキルを学ぶことがこの番組のねらいだ。

◆ソーシャルスキルとは、他人の中でどう振る舞うかもあるのだが、それだけではなく、この番組では、その前に自分や他人の凸凹をしっかりと理解することを重視している。理解した上で、「どうしようか」ということがこの番組でしっかりとなされていた。

◆登場人物は3人。「でこ」りん、「ぼこ」すけ、「ポン」合わせて「でこぼこポン!」の3人だ。

◆でこりん(世の中をアッと驚かせる発明品を作るために、日々研究にいそしむ天才博士)
じっとしているのが苦手で、突拍子もない思いつきを考えることなく実際に試そうとする。
彼女の障害は、周りのことが目に入らないこと。だから、どんな状況でも、大きい声で話す。それが、迷惑であることを理解させ、場に応じた声の大きさを学習し、声のソーシャルスキルを獲得するまでが、第一回目の放送だった。

◆ぼこすけ(研究所の近くに住む小学生で、でこりんとは年の離れた友達)
几帳面でスケジュールを守りたいタイプ。 普通の子どもに見えるのだが「極度の心配性」だ。そのため、「初めての公園に遊びにいく」ようなことにすごく抵抗がある。博士の発明で事前にVRを見ることで解決する。これが二回目の放送だった。

◆ポン(ロホット)
優しい性格で、でこりんやぼこすけにアドバイスをする。教師や両親の手本だ。

◆この番組のよさは、「見え方」「聞こえ方」「感じ方」「わかり方」などは、誰しもが同じではないことを「はっきり」教えてくれることだ。だから、ぼこすけにはぼこすけの、でこりんにはでこりんの感覚の凸凹をスッと理解できる。

◆つまり、広く言えば発達障害とは、人には感覚に凸凹が原因であること。もちろんあなたにもそうだということなのだ。それが、強く出たり、弱く出るのだ。それを個性という人もいる。

◆実際、発達障害的なことは、子どもだけではない。時には、相手の発達障害的なことに、こころを乱されたり、なぜなんだと思い悩むこともあろう。また、自分の発達障害的なことに悩むこともあろう。しかし、子どものように離脱を繰り返すわけにもいかない。そんな時の対応を術として身につけておく必要がある。たとえば、それが深呼吸であったり、「羯諦 羯諦」のおまじないだったり、付箋写経でもあるわけだ。

いつもニコニコハラタテマイゾヤ ソワカ
耕田院(山形県)

すてき

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