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耕田院の日常(178回目)山形県羽前大山駅

「怠けることのすすめ」

投稿日:2023年01月29日(日)
◆今日の輪橋山徒然話は、やりたいことを見つけて、それのみをやる「怠けることのすすめ」だ。

◆「働くことは労働者の権利である」と論じたのは「資本論」のカール・マルクスだ。しかし彼の娘婿は、「怠けることこそが人間本来の権利である」と言ったそうだ。真逆じゃないか。

◆彼の名前は ポール・ラファルグという。「怠けるのだ」という彼の主張は、現代に生きる我々でも、大いにうなずけるところがある。たとえば次のような文章だ。

◆「しかしわれわれが目にしているものはいったい何だろう。機械が改良されだんだん高度になる速度と精密さの点で、人間の仕事に機械が打ち勝っていくにつれて、労働者は閑暇を相当に伸ばすことをせず、まるで機械と張り合うように刻苦勉励の度を加えていく。なんと馬鹿馬鹿しい殺人的な競争であることか」(「怠ける権利」 平凡社)
※ ためしに、機械をAIと代えて読んでいただくと頷(うな)けると思う。

◆ポール・ラファルグの「怠ける権利」の背景には産業革命があった。この本には、すでに120年前「1日3時間も働けば、人間は生きていくに足るだけの物財を生産することができる(怠ける権利)」と記されている。それなのに、「人間は、優秀な機械と張り合うように刻苦勉励している」とし、「馬鹿馬鹿しい殺人的な競争」をしないと生きていけない人間の性を指摘しているのだ。

◆しかし、人間は「怠けることをよしとせずに」ポール・ラファルグ以降も「怠ける権利」を放棄して働いてきた。わが国では「過労死」という言葉さえ生み出したのだ。

◆そして、これから我々が迎える近未来はAIの独壇場であるとされている。その結果は目に見えている。難しい仕事、複雑な仕事、ミスの許されない仕事…。労働価値の高かった仕事がどんどんAIに入れ替わっていく。名人がするよりももっと完璧で安定したスピードでこなされていくのだ。そうなれば名人は必要ない。ロボットや機械ができないことはどんどん減り、必要な人間の数もどんどん減っていく。

◆価値観がかわるのだ。労働環境が激変し、労働時間も劇的に短縮されようとしている時代がくるのだ。

◆しかし、この未来が、必ずしも薔薇色に見えないのは何故だろう。

◆AIの登場とその急速な普及は、現在でも着々と人間の職を奪ってくる。職を奪われるとは、居場所=存在意義を奪われることである。生きがいも生きる意味も奪われることなのかもしれない。たとえば「仕事人間」。もう、今までの価値観では、ままならない。

◆我々がインプットされてきた、生きる意味の一つ、勤労が美徳であるという論理を一度捨て去る必要があるのだ。

◆ヒントになるのは、漫画家の水木しげるさんだ。水木しげるさんといえは妖怪漫画の大家だ。ゲゲゲの鬼太郎を通して、働き過ぎの現代人を妖怪に変え、警告を発し続けた作家である。

◆JR境港駅前公園内に「水木しげる氏顕彰像」があるそうだ。その石碑には、なんと「なまけ者になりなさい」と刻まれているそうだ。石碑の裏には 「若い頃は火の玉みたいに頑張らんとイカン。でも中年を過ぎたら愉快になまけるクセをつけんと、いつまでもシアワセになれません。」と。

◆水木さんは人生について「他人との比較ではない、あくまで自分の楽しさを追及すべし」とし、ご自身はそんな生き方を貫かれた。瀬戸内寂聴さんや森敦さんも同じだ。自分の好きなことの追究が仕事=生きざまになっている。

◆「怠けよ」とは、するべきこともせず、寝て暮らすということではない。ズルすることでもない。「やりたいことを見つけて、それのみを集中してやる」ということなのだと思う。好きなこと以外は「愉快になまける」のだ。

◆好きなこと・やってみたいことを紙に書き出してみた。そして、そっとしなければならないことも書き出してみた。「なるほど」。少しは薔薇色に見えてきた。

◆今朝のリールは水木しげる「水木さんの幸福論」。みてください。

◆いつもニコニコ怒りません。「オンニコニコハラタテマイゾヤソワカ」は、自分りも明るく・仲良く・イキイキと導くおまじない。「オンニコニコハラタテマイゾヤソワカ」。

◆荒天の中、赤ちゃんと寺ヨガにご参加ありがとうございました。
耕田院(山形県)

すてき

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