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耕田院の日常(164回目)山形県羽前大山駅

干して乾かす

投稿日:2023年01月15日(日)
◆干すことで食材が生まれ変わる。薬にもなる。りんごの皮でもレモンでも、なんでもとりあえず干してみようと思うほどだ。と、ここまで書いて「いや待てよ」干してはいけないものがある。それは人間だ… と以前POSTの続き。  

◆そもそも干すとは何をいうのだろう。これについては、「乾かす」という言葉と比較するとわかりやすい。(同じような意味の言葉と比較するのがコツだ。)

■干す→物を日光などにあてる行為。
濡れていているものでも、乾いているものでもどちらでも良い。
例「衣服を虫干しする」

■乾かす→濡れているものから水分を取り除く行為。
例「髪を乾かす」

◆「干して乾かす」とは言うが、「乾かして干す」とはいわない。

◆それでは、人を干すとはいかなることか。

◆芸能界の大御所が、気に入らない後輩芸能人を干すということを聞いたことがある。その方の号令がかかると一切仕事にありつけなくなる。人も干されてしまえば、水分がとんで干し肉や干し葡萄のようになってしまう。芸能人など半年経てばすっかり忘れ去られてしまう。こんなことの理由は、きっと、ささいなことなんだろうと想像はつく。なんとも残酷なことだ。

◆しかし、芸能界だけではなく、一旦干されていた人が再び表舞台に立った時、そこには、深く刻まれた皺(しわ)とともにウチに秘めたファイトを感じる。歴史上の人物でいえば、西郷隆盛は島津の殿様に嫌われ沖永良部島に島流しになった。前田利家は織田信長に嫌われた。

◆シワシワの漬物といえば「梅干し」がある。夏の一番暑い時につけこむのだが、こんな歌がある。1910年(明治43年)発行の『尋常小学読本 巻五』

梅干しのうた  芳賀 矢一(はが やいち/1867-1927)

二月三月花ざかり、
うぐひす鳴いた春の日の
たのしい時もゆめのうち。

もとよりすっぱいこのからだ、
しほ(塩)につかってからくなり、
しそにそまって赤くなり、
七月八月あついころ、
三日三ばんの土用ぼし、
思へばつらいことばかり、
それもよのため、人のため。


◆「思へばつらいことばかり、それもよのため、人のため。」の「土用干し(どようぼし)」とは、梅雨明け後の夏の暑い日差しの中で、塩漬け後のウメを3日天日干し(てんぴぼし)にする作業工程のこと。この工程を経て本漬けが行われる。寒風にさらす大根とは真逆である。

◆この梅干しのうたが、2011年12月のNHK「みんなのうた」で『ウメボシジンセイ』として流された。忘れてはならない東日本の大震災の年である。もう干支がひと回りしてしまった。

◆今年は13回忌(称名忌)にあたる。13回忌の守り仏は大日如来である。
耕田院(山形県)

すてき

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