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耕田院の日常(117回目)山形県羽前大山駅

徒然草第39段

投稿日:2022年11月26日(土)
◆「或人、法然上人に尋ねた話」である。法然上人とは、浄土宗のご開祖さまだ。徒然草第39段である。

「念仏の時、睡にをかされて、行を怠り侍る事、いかゞして、この障りを止め侍らん」
(念仏を唱えているとき、眠くなって勤行(ごんぎょう)をおこたってしまうことがある。どのようにしてこの障礙(しょうがい)を除くことができますか)

※障礙とは、特に仏教の修行で、さまたげとなるものという意味。

◆平たくいえば「眠くなって」「お念仏を唱える」ことを邪魔するのでどうしたらよいかという質問である。

◆禅の世界にはこんな話がある。昔の中国宋代の慈明という偉い禅僧は、夜に眠くなると腿(もも)に錐(キリ)を刺して、眠気を覚ましたという。慈明引錐(じみょういんすい)という逸話である。坐禅は、眠りとの戦いである。

◆そもそも「眠い」とは五欲にも数えられる煩悩の一つである。五欲とは、食欲、財欲、色欲、名誉欲、そして、睡眠欲である。これらの欲望は、一度満たされたとしても「もっともっと」と欲望は、満たせば満たすほど、もっと欲しくなる。煩悩をお釈迦さまは次のように戒める。

◆「欲望と人間の関係は喉(のど)が渇いた時に、海水を飲むともっと喉が渇くようなものだ」と教えている。欲望は、満たされれば二倍の度を増して渇くものなのだと。

◆さて、法然上人はどのように戒められただろう。徒然草の第39段は次のように進んでいく。

目の醒めたらんほど、念仏し給へ」と答へられたりける、いと尊かりけり。

◆法然上人は「目が覚めた時に念仏されよ」と申されたのだ。「眠い時は寝りなさい。そして目が覚めたならまた念仏勤行を始めればよい」と。法然上人のおおらかなお導きである。そして兼好法師はこうも続ける。

「極楽往生(南無阿弥陀仏とお唱えすれば)できるかは、確実と思えば確実、不確実と思えば不確実」、「疑いながらも念仏すれば、往生する」いと尊かりけり。

◆つまり、大らかな仏(南無阿弥陀仏)の懐に抱かれていることを、「疑いながら」も、まず、始めてみようとすることの大事さが「尊い」ことも兼好法師は強調しているのだ。

◆少々乱暴であるが、徒然草第39段は「眠いときは眠り、無理はしない」。「疑いながら」もやってみる。「ああだ、こうだと」迷って「いつまでしりごみするほど」人生は決して長くはないことを教えていると思う。

◆今朝も最後まで読んでいただいてありがとうございます。

◆深呼吸で「心のデトックス」。一度息を全て「大地に」吐き出します。次に胸を広げて鼻から息をたっぷり入れます。「吐く息は細く長く」です。呼吸をコントロールし、呼吸に集中。自分の心にアプローチ。

◆「自分の根っこ」に感謝。ここに自分があること。お父様、お母様。あなたの隣にいる人とそのご縁。これから出会う新しいご縁。全てに合掌しましょう。

◆いつもニコニコ怒りません。「オンニコニコハラタテマイゾヤソワカ」は、自分もまわりも明るく・仲良く・イキイキと導くおまじない。「オンニコニコハラタテマイゾヤソワカ」。
耕田院(山形県)

すてき

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