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耕田院の日常(107回目)山形県羽前大山駅

AIの仕事は需要最適化

投稿日:2022年11月15日(火)
◆ブラックコーヒーを教えてくれたのは、コンビニと母である。

◆コンビニのカップコーヒーの値段が上がっていたことに気が付かなかった。レジで120円の絵を指差して、120円を置く。すると、脇の方に小さく書いてある130円を大柄な店員は指差した。なぜ、税込の値段を大きくしておかないのだろう。そもそも、税抜きの価格など何の意味があるのだろうか。

◆それにしても、あっちでも、こっちでも値上げの話。そんな中で「本来食べられるはずの食品ロス(フードロス)」は、ますます大きな問題だ。

◆数字で示されると更に驚く。

◆令和2年度の食品ロス量を国民1人当たりの量は、1年で約41キロに上るという。これは1日だと約113グラムの計算になり、毎日軽く茶碗1杯分のごはんを捨てていることになるそうだ。

◆スーパーマーケットやコンビニ、小売店でも、商品値引きのタイミングを考え、売れ筋やそうでないメニューを把握することは「いろはのい」である。ずっと人間の経験や「かん」に頼ってやってきた。しかし、最近では、コンビニやスーパーで人工知能(AI)を活用しはじめた。

◆AIの仕事は、「需給の最適化」である。これによって、売れ残りや過剰な在庫を減らすのだ。

◆AIの仕事は学習することから始まる。まず、過去の販売実績を学習する。例えば天気と売り上げの関係。あるいは、時間や来店者数さまざまなデータだ。そして、売れ残らないように値引き額?を考える。その戦略に沿って、その日の売上が最大になるように値下げ額を決定し、シールを印刷するのだ。

◆そして「AI考え通り」に従業員はシールを貼る。

◆ここで問題なのは、AIを参考に、最後はそこで働く人の裁量でという「やりがい」につながるようなシステムなのだろうかということだ。そうではなく、人間は完全にAIの「コマ」となり働くのだろうか。その場合、働く人には、責任がない分、充実感、達成感が生まれにくいシステムであろうということだ。

◆みなさん思い出して欲しい。以前は、シールをこっそりはるのではなく、「そろそろ時間だねぇ。ちょっと早いけどいいや。奥さんどうかねぇと…」とスーパーで見かける風景だった。コンビニには売り子はいないが、スーパーやその他の店舗には、「いらっしゃい」という店員と顔馴染みとお得意さんという人間関係があったと思う。つまり、気持ちよく買えるし、気持ちを込めて売れる。だから、また、買ってもらうし、「ひいき」にした。気持ちよい人間関係がそこにあった。

◆一見効率的であり、完璧であるだろうAI戦略。しかし、そこに、働く人の「やりがい」という名のえがおが無くならないのか心配だ。

◆さて、体の弱かった母は何度も入院した。その度に「コーヒー」を買っていった。一口くらい飲んだろうか。それでも喜んでいた…。もちろん「ローソン・ブラック」だ。
耕田院(山形県)

すてき

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