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耕田院の日常(67回目)山形県羽前大山駅

「チンパンジー2」2022.10.2朝4時半の話

投稿日:2022年10月06日(木)
◆人間と共通の祖先を持っているチンパンジーは、直観像記憶に優れているというのが昨日の大発見だった。この記憶力については、全く人間はかなわない。その様子については、YouTube The Cognitive Tradeoff Hypothesis(これを貼り付けて検索▶︎ゴリラの表紙▶︎犬山市の映像からスタート)に詳しい。とにかくすごい。

◆さて、今日のテーマは「知性のトレードオフ仮説」だ。なぜ、チンパンジーと人間に別れ、能力も違うのかということだ。

◆世界的な霊長類学者である松沢哲郎先生は、「チンパンジーに記憶力が劣るのは人間が話せるからだ」と強調する。

◆なぜ、人間にだけ「言語」があり、他の動物、特にチンパンジーには言語が発達しなかったのだろうか。その答えは、人間とチンパンジーの共通の祖先がサバンナで生活していた時に遡らなければならない。その時代のサバンナは捕食者にあふれていた。だから私たちとチンパンジーの祖先にとって生活できる場所は、森の木の上だけだ。

◆力の強かったチンパンジーは木の上に残り、木の上で生き抜くために進化した。その一つの能力が「直観像記憶」だ。

◆そして、その木の上から、追い落とされたのが人間である。森から追い払われ、人間はサバンナで生き残るために、集団での役割を決め、戦略を工夫して闘う必要があったのだ。集団で闘うための進化だ。初めは記号のようなもの、のちに言語が生まれた。

◆今、現代社会においても、細部まで記憶する「直観像記憶」が失われていても困ることなどない。なぜなら人間は、言語によって、より詳しく説明することができるからだ。

◆トレードオフの意味は、「一方を尊重すればもう一方が成り立たない状態のこと」だ。つまり、「知性のトレードオフ仮説」とは、人間が「直観像記憶」捨てることで「言語能力」を進化させたという仮説だ。

◆新しいことに「脳」を使えば何かの機能を失うのだ。その理由を松沢哲郎先生は、記憶を司る脳の部位と言語を司る部位が似た場所にあるからだという。つまり、片方が進化すると片方は萎むのだ。

◆何かを得るには、何かを失わなければならないのだ。進化とは、新しい能力がどんどん発達していくだけではなく、何かを切り離しているのだ。人間は、恐竜のように巨大化して弱肉強食を勝ち抜いたのではなく、言語能力を選択し、集団で生きることを選択したのだ。

◆現人類以前のネアンデルタール人は、少人数の集団で生きていたという。彼らは身体能力も高く、強く、優秀だったが滅びている。狩りの仕方が全く違ったらしい、集団ではなく、個の戦いだったという。結局、彼らは生きるための言語も社会も形成せずに滅びていった。

◆人間の人間たる進化は、生き抜くための共同体とそれを助ける言語能力なのだ。そして、それはまだ起こっていないことを想像する力だと松沢哲郎先生。三鷹のジブリ美術館に立つロボット兵が何を伝えたいのか考える力でもあるのだ。

◆今朝も最後まで読んでいただいてありがとうございます。あなたの朝のこころにアプローチ。「ああなあさここ」でした。

◆深呼吸で「心のデトックス」。一度息を全て「大地に」吐き出します。次に胸を広げて鼻から息をたっぷり入れます。最後は「吐く息は細く長く」です。呼吸をコントロールし、呼吸に集中。自分の心にアプローチ。

◆いつもニコニコ怒りません。「オンニコニコハラタテマイゾヤソワカ」は、自分もまわりも明るく・仲良く・イキイキと導くおまじない。
耕田院(山形県)

すてき

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