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耕田院の日常(59回目)山形県羽前大山駅

「出家とウミウシ」2022/9/18 朝四時半の住職の話より

投稿日:2022年09月28日(水)

◆カタツムリ、ヤドカリと殻をもつ生き物の面白さや知恵に学んできたが、殻を自らの体の中に飲み込んでしまった後、すごい進化、生きる術を身につけた生き物が今日の主役。

◆それは、「ウミウシ」である。この「ウミウシ」は、貝殻が縮小していき、やがてはあの分厚い体の中に埋没し、消失したそうだ。もともとは殻を持つ巻貝の仲間なのだ。

◆「ナマコ」のようには食に適さないという「ウミウシ」を「研究のためだからね」と海洋生物学者でもあった昭和天皇は、甘辛く煮付けてお食べになったという。肝心の味のほうは、「味が無いし、こりこりして噛み切れない」とのこと。

◆食にも向かず、しかも、グロテスクな容姿である「ウミウシ」の中には、すごい能力を備えている種類がある。

◆以前NHKラジオの「子ども科学電話相談?」で聞いたのだが、彼らは、植物と同じ光合成ができるというのだ。しかも、海藻の葉緑体を自分の体の中の細胞内に取り込んで(食べて)、光合成を行わせる。自分が食した海藻のようにだ。自らが糖を作り出すことができるのだ。現在、食物連鎖の頂点にいるのが人類であるが、その我々が羨む、究極の自給自足生活をしているのだ。

◆もう一つは「自切」という能力だ。背中に突起をもつ「ウミウシ」は、刺激を受けると体をそこから切り離してしまうのだ。そして、その切り離した部分は見事に再生される。トカゲが敵から逃げるため、自分で尻尾を切る「トカゲの尻尾切り」は、尻尾だけを切り離す。しかし、ウミウシの場合は、頭部と体部分が完全に分離しても、体部分は再生しないのだが、頭の方は約3週間で心臓含めて、ほぼ完全な形となることができるというのだ。

◆この再生能力もうらやましい。いかなる仕組みなのだろうか。再生医療の域を超えている。
もし、この能力が人間にあれば、頭だけ残して「自切」する。顔はそのままの、若々しい肉体を持つ新人類の誕生だ。想像しただけて面白い。

◆「ウミウシ」は殻という家を捨て、外に露出させた体で光合成を行い、自らを守る鎧の代わりに、自切と自己再生能力を手に入れた。あっと思った。「ウミウシ」の進化は、家を捨てることでなされている。これは、「出家したということ」じゃないか。殻へのしがらみを捨て去ることで、新しい境地を手に入れたのだ。お仲間である。すごい。

⭐︎写真は、鶴岡市由良の香頭ヶ浜 泥岩で石炭層も入っています。潮が引くと柱状の岩が見られます。地名の由来は仏さまの頭が流れ着いたとうことで「香頭ヶ浜」。
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