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耕田院の日常(46回目)山形県羽前大山駅

「紅茶の浸出時間2022/8/10 朝4時半の話

投稿日:2022年09月16日(金)
◆『「弱くても勝てます」開成高校野球部のセオリー』の高橋秀実さんのエッセーに「ブレンドのマナー」という作品がある。2014に発行された「考えるマナー」という中央公論のエッセー集に掲載されている。

◆エッセーでは、「紅茶の侵出時間の難しさ」と「こだわり」につい取り上げている。紅茶の侵出時間とは、紅茶をベストの状態で味わう入れ方であるのだが、私が思っているよりも随分と奥が深いようだ。

▶︎以下、エッセーからの引用である。

▶︎人気のテレビドラマ「相棒」の主人公のように高いところから湯を注ぐのはたやすい。問題は侵出時間で、これがよくわからないのだ。特にシーズン限定の「◯◯農園の◯◯」などというブランド品。注意書きには「2〜 3分」などとあるのだが、これでは1分間もの幅があり、2分キッカリで飲むのと3分ちょうどで飲んだのでは味が全く異なるのである。

◆高橋秀実さんは、ブランド紅茶をベストの状態で淹れるために、その茶葉の「侵出時間」を様々試す。試行錯誤の結果、やがて次のような次のような結論に行き着くのだ。

▶︎察するに、紅茶には味のピークがありそのピーク時間が長いものもあれば一瞬のものもある。 (略) そう考えると紅茶はブレンドが一番である。さまざまな茶葉が混ざっているのでピークもバラバラ、おかげで侵出時間が多少ずれても、最大公約数的な味が保証されているのだ。ブランドよりもブレンドなのだ。

◆そうか。ブレンドの魅力は、ベストにあるのではなく、ベターにもあったのかと了解した。つまり「究極」とか「至高の時」には、及ばないかもしれないが、大きく外れることはないのだ。いつでも、だいだい同じ味で、色合いで、香りで安定しているのだ。

◆これは、本来のブレンドの意味とは若干違う。ブレンドが命の香水やワイン、ウイスキーなどの調合などからわかる。

◆最近お目にかからないのは「お米のブレンド」だ。米屋が配達していた頃のお米は、その米屋のブレンドだった。ただし、これは、「ベター」をねらったものだろう。しかし、ブレンド米にも、「ワイン、ウイスキー」と同様の足し算ではなく、掛け算になり得るという魅力がありそうだ。お寿司屋さんなどはきっと様々な工夫をしているはずだ。

◆しかし、流通という面では、産地や銘柄がブランドとなっているお米は、ブレンド米は、格下の米との扱いになるのだろう。しかし、「ブレンド米」という視点は、余剰米の対策にもなるような可能性もありそうだ。ベターではなく個々のベストを極める「ご飯」として。

◆さて、ティーポットを高々と掲げ、紅茶をカップに注ぐ、あの“杉下右京の紅茶注ぎ”は、 「美味しい紅茶には、たくさん空気に触れさせたお湯の方が良い」との理由からだそうだ。正式なものではないらしい。杉下右京の紅茶浸出へ並々ならぬこだわりと工夫なのだ。
耕田院の自然

すてき

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