御朱印・神社お寺の検索サイト楽しみ方
神社寺院のホームページが無料でかんたんに作れる!

耕田院の日常(36回目)山形県羽前大山駅

「ネグレクト」 2022/5/2「朝4時半の住職の話」から

投稿日:2022年09月06日(火)
◆白壁・漆喰の壁の下はこのようになっています。火事には強いが地震に弱い特徴があります。

◆作家の三浦綾子さんが、サナトリウム時代のことを書いたエッセーを読んだ。そこに、「シチリアのフリードリヒ2世」という王さまの実験が紹介されていた。13世紀頃の話だという。

◆この王さまは、「人間は言葉を持って生まれてくるはずだ」と固く信じていた。6カ国語を話すことができたフリードリヒ2世は、初めに発する言葉は、「ヘブライ語」にちがいないと考えていた。そのことを証明するために、次のような「人体実験」をした。

◆その実験とは、まず、生まれたばかりの嬰児(みどりご)を50人集める。そして、養育係には、その嬰児とのコミュニケーション一切を禁止したのだ。

◆具体的には、「目を見てはいけない 」、「笑いかけてもいけない 」、「語りかけてもいけない 」「ふれあいを一切してはいけない 」と。ただし、しっかりとミルクは与え、お風呂にも入れ、もちろん排泄の処理もする。生きるのに必要なことはすべて与えるが、本来あるべき母親も、言葉も、愛もないのだ。

◆実験の結果は、王さまの予想が大きく外れ、生まれてから、一度も言葉をかけられたことのない嬰児は、一言も自ら言葉を発する事はなかった。そして、そればかりでない。嬰児は、やがて衰弱し、ついにはみんな死んでしまったというのだ。

◆似たような実験で「フレデリック大王の実験」がある。

◆産業革命後のヨーロッパの話。当時は捨て子が多くて、それを修道院に入れて修道士が育てた。フレデリック大王は、修道士に「マスクをさせて」、「赤ちゃんが目を見ても一切目を見てはいけない」、「笑いかけても笑ってはいけない」、「語りかけてもいけない」と、「ふれあいを一切しない」で赤ちゃんを育てる実験をした。そうしたら、実験が終わらない間に子どもはみんな死んでしまった。 (神奈川県立保健福祉大学教授歯科教授 前川喜平さん.ふれあいの意味より引用)

◆この2つの実験から言えることは、目も合わせず、言葉もかけられないという「愛情遮断」は、人間にとって生死に関わる重大なことだということだ。これは「ネグレクト」の一種である。「ネグレクト」とは、虐待のひとつであり、特に子どもへの「育児放棄」を意味している言葉だ。

◆ある調査では、この予想以上に長いコロナ禍における高リスク集団に、乳幼児とその親が上げられている。たぶん、里帰りも思うに任せず、ゆったりと、子育てができる環境にないからだろう。これ故に、身体的・精神的・性的虐待ともに「ネグレクト」も非常に起きやすい環境にあるというのだ。

◆人間は、例えば負のストレスが溜まってくると「自分よりも弱者」に攻撃をする習性がある。この攻撃の一つに「ネグレクト」があるのだ。このことは、人間の性としてしっかりと認識し、自戒していなければならないことだと思う。たとえ「親と子であっても」、である。

◆ところで、「フレデリック大王は、修道士にマスクをさせて〜」とあった。この「マスク」も乳幼児に何か影響がありそうだ。
耕田院(山形県)

すてき

みんなのコメント0件)

ログインしてください

ログイン無料登録すると、投稿へコメントできます。

ホトカミ見ました! で広がるご縁

ホトカミを見てお参りされた際は、
もし話す機会があれば住職さんに、「ホトカミ見てお参りしました!」とお伝えください。
住職さんも、ホトカミを通じてお参りされる方がいるんだなぁと、情報を発信しようという気持ちになりますし、
「ホトカミ見ました!」きっかけで豊かな会話が生まれたら、ホトカミ運営の私たちも嬉しいです。
耕田院のお知らせをもっと見る430件
コメント
お問い合わせ