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耕田院の日常(21回目)山形県羽前大山駅

「夜光虫」 2022/6/19「朝4時半の住職の話」

投稿日:2022年08月22日(月)
◆海の見えるお寺の東堂様がなくなられ、お悔やみに行ってきた。99歳。

◆夕陽の頃。6月の海はいい。その時ふと、思い出した。あの時の海は冷たかったなということ。

◆小学校の自然体験教室(林間学校)はこの時期なのだ。県立の施設を使うことが原則なのだが、地元のユースホステルに宿泊というコースで実施したことがある。東日本の震災の前のことだ。

◆学習は今でも誇るべきものだったと思う。地図にない幻の滝(みやまの大滝)を見にいくこと。水無川の源流まで登ること。もう一つは、夜の海に入り、夜行虫と出会うこと。精進カツカレーを作り、食することだ。

◆「やこうちゅう」怪しい響きだ。この時、初めて見た。この夜行虫、清浄にして、儚い。

◆夜光虫は海洋性プランクトンの一種だ。ほかのプランクトン同様に海水温が上がってくる5月から9月の間に多く発生する。

◆9時ごろユースホステルのある山から、海まで移動し、浜で焚き火をする。その日も、夜になると海の方から、冷たい風が吹いてきた。空には、ぽっかりと月が見えた。

◆夜中の海は怖い。いくら、海の近くの学校の子どもでも、夜の海など入ったことはない。緊張している。静かに海に入る。ちょうどいいところでしゃがむ。首までつかる。そして、水の中そっと自分の方に仰いでみる。(シンクロスイミングのアレ)。あちこちで、小さな歓声が上がる。大人からはため息だ。

◆夜行虫を見た。この夜行虫、清浄にして、儚い。

宝石のように派手ではなく
蛍のような確かな光でもない
でも、キラキラ、ユラユラとここにいる
電気やネオンの調整可能な光ではなく
真昼の木漏れ日でもない
たとえるならば、夜の星の光だ。
真っ黒な闇の中でないと見逃してしまうほどの
つくねんとした灯りだ

◆次の日は、海から、川を逆登っていく源流探しだった。途中まで車で川沿いに登っていく。ブナの原生林。最後の行程は沢沿いを登る。この間「ヤマビル」には驚いた。水無川の源流は三つの地下水であり、それぞれ違う味がした。

◆不思議な空間だった。奇跡のような時間が流れた。白い洋館のユースホステルでの二日間。管理人さんは、髪を後ろに束ね、オデッセに乗る、少々浮世離れしていたけれども、かっこよかった。素晴らしい人だった。大好きだった。
耕田院の自然

すてき

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