正行院のお参りの記録(1回目)
東京都根津駅

東京都台東区谷中に位置する日蓮宗寺院、正行院（しょうぎょういん）は、慈雲山と号します。

●正行院の歴史

正行院は、元和元年（1615年）に創立され、開山は慈雲院日新（じうんいんにちしん）です。開基となったのは正覚日順（しょうかくにちじゅん）で、寛永20年（1643年）に寂しました。寺院の設立時期は、神田時代に遡ると考えられていますが、詳細な設立年月は明確ではありません。
1868年（慶應4年）には、上野戦争による戦火で寺院が消失しました。その後、27世要中院日精（ようちゅういんにちしょう）が庫裡を再建し、30世円中院日俊（えんちゅういんにちしゅん）が本堂の再建に尽力しました。これにより、正行院は復興し、現在に至っています。

●現在の寺院と文化財

現在の正行院は、日本美術院向かいに位置し、瑞輪寺の五つの子院のうちの一つです。寺院の本尊には「一塔両尊」が祀られております。
正行院の文化的な特色の一つとして、幕末から明治時代にかけて活躍した著名な画家、河鍋暁斎（かわなべきょうさい）が挙げられます。河鍋暁斎は、絵画の分野でその独自のスタイルと風刺画で知られ、多くの支持を集めました。彼は明治22年に亡くなり、その遺骨は正行院に葬られました。彼の墓は自然石を重ねたもので、一番上の石は蛙をかたどったものとなっており、蛙を愛した暁斎の個性が表れています。