七倉稲荷神社のお参りの記録(1回目)
東京都根津駅

不忍通りから一本脇に入った静かな忍小通り。そのさらに路地を入った場所に、ひっそりと鎮座するのが七倉稲荷神社です。大通りの喧騒から離れているため、境内には都会の中とは思えないほどの落ち着いた空気が漂い、訪れる人の心を静かに整えてくれるような佇まいがあります。

この地域は、すぐ近くに東京大学本郷キャンパスを擁しており、知の象徴ともいえる「文の京（ふみのみやこ）」と称されるにふさわしい文化と学問の薫り高い場所です。由緒ある学び舎に囲まれたこの土地に、稲荷神社が変わらず鎮座していることに、歴史と伝統の重なりを感じずにはいられません。

また、神社の近くには、落語界の重鎮・三遊亭好楽師匠やそのご子息七代目三遊亭圓楽師匠らも出演することで知られる寄席「池之端しのぶ亭」もあり、学問だけでなく庶民芸能の文化も息づいています。学問と芸能、そして信仰が交差するこの界隈は、散策にもおすすめの趣深い一角です。

なお、七倉稲荷神社の本務神社は、徒歩圏内にある由緒正しい根津神社で、地域の神社としてしっかりと連携が保たれています。境内に立つ社殿は、年月を経ているとは思えないほど美しく整っており、その丁寧に保たれた姿からは、氏子や地域の人々による敬意と信仰の深さが伝わってくるようです。