稲荷神社のお参りの記録(1回目)
静岡県静岡駅

登録されている神社名は「稲荷神社」ですが、Googleマップでは「西脇稲荷神社」「保食大神稲荷神社」という表記も出てきます。
「保食大神」というワードに引っかかるものを感じて、通りがかった際にお詣りしました。

保食神(うけもちのかみ)は日本書紀に以下のようなエピソードで出てきます。

天照大神が月夜見尊に、葦原中国の保食神の様子を見に行かせたところ、保食神は口から米・魚・獣を出して月夜見尊をもてなした。月夜見尊はそれを不快に思い、保食神を斬ってしまう。これを知った天照大神は怒り、月夜見尊と会わないと決めたため、太陽と月は昼と夜に分かれて現れるようになった…

似たようなエピソードが、古事記では保食神＝大宜都比売神(おおげつひめ)として記載されています。こちらは、月夜見尊ではなく須佐之男命に殺されてしまいますが、保食神と同様に屍骸から五穀や蚕が生まれ、どちらも五穀豊穣の神として信仰されています。

同じく豊穣の神として稲荷神社の御祭神として祀られる宇迦之御魂神（ウカノミタマノカミ）と同一視されることもあるそうです。
この稲荷神社がまさにそれ。
保食大神稲荷神社と呼ばれ、御祭神は宇迦之御魂神。ついでに、菅原道真もお祀りされていて、地元では古くから天満宮とも呼ばれていたようです。

長い歴史の中で、色々な信仰が習合されていった様子が伺え、小さいけれど興味深い神社でした。