今月の切絵御朱印には、9日の「重陽の節供」ゆかりの菊と「中秋の名月」ゆかりのうさぎをあしらいました。
9月9日の「重陽の節供」は「菊の節供」とも呼ばれ、邪気を払うとされる菊の花を飾ったり、お酒やお風呂に浮かべる習わしがあります。
また旧暦の8月15日は十五夜(中秋の名月)として月にお供物をし、農作物の収穫に感謝する日として大切にされています。今年は9月17日が十五夜となりますが、お月様にはうさぎがいるというお話を誰もが一度は耳にしたことがあるかと思います。
月のうさぎのはじまりは、インドの説教仏話「ジャータカ神話」と言われ、日本にもたらされてからは『今昔物語集』や民話として各地に伝わったとされます。多くは、天竺(インド)に暮らし菩薩道に日々励んでいたうさぎ、きつね、猿の仲睦まじく暮らす様子を見ていた帝釈天が、彼らに真の仏の心があるかを試そうとしたお話として伝わっています。老人に変身して3匹のもとを訪ねた帝釈天を養うため、食べ物を探して奔走する3匹のなかで、唯一うまく食べ物を探すことのできなかったうさぎが、ついには自身を食べ物として捧げるというお話です。慈悲深いうさぎの姿を帝釈天が月に映したと言われます。
ご参拝の皆様が神様方のお護りのもと、このひと月をお健やかにお心豊かに過ごされますことをお祈りいたしております。