当神社の始まりは、第十一代垂仁天皇二十三年の創建と伝えられていますが、この当時は加西の鎌倉峰に鎮座されていました。
その後、養老六年(722)に現在地に遷座され、延喜式にも古社であります。当地に遷座された頃は「坂合神社」と呼ばれておりましたが、いつの頃からか「佐保神社」と称されるようになりました。
鎌倉時代には、朝廷や幕府の崇敬を集め隆昌を誇り、尼将軍として有名な北条政子は、八丁四方に内の鳥居、一里四方に外の鳥居を造営させました。
今でも、その中の一基(西の内の鳥居)は加東市鳥居地区に、地名と共に残っております。
室町期に入り、度々の騒乱により一時荒廃いたしましたが、江戸時代に至って姫路城主池田輝政公の祈願所として社領十石を寄せられ、さらに幕府より御朱印社領十石を賜わるなど、ようやく復興いたしました。
また明治時代になり、官国弊社に次ぐ近郷唯一の県社の社格を付与されました。
なお、旧加東郡社町の名は往古より「佐保社村」と呼ばれ、当神社の門前町として発展してきたことに由来し、北播磨の雄として栄えてまいりました。
現在の本殿は、延享四年(1747)に再建されたもので、三間社流造正面千鳥破風・銅板葺で、幣殿・拝殿・瑞神門とともに、華麗な彫刻で飾られています。
この他境内神社には、恵比寿神社・諏訪神社・八幡神社・神明神社・愛宕神社・金比羅宮・稲荷神社・先宮社・天神社などがあります。
また境外末社として若宮社があります。 |