寒川神社のお参りの記録(1回目)
千葉県本千葉駅

下総国千葉郡の式内社「寒川神社」の論社になります。

度重なる火災で古記録がすべて焼失してしまい創建の年代は不明です。一番古い史料として、御神宝の獅子頭に文明13年（1481）に社殿と獅子頭を修復した旨の銘があり、創建はこれ以前と考えられるそうです。古くは神明神社、伊勢明神と呼ばれ天照大御神を主神に寒川比古命、寒川比女命を脇神に祀り、明治元年に社号を寒川神社に改めたといいます。



寒川大神といえば記紀には登場しない神様で、世相の推移や神徳の解釈から、八幡神、菊理媛、澤女神、素戔嗚尊・稲田姫命、建御名方命、猿田彦命、大己貴神……
と様々な異説が唱えられてきた神様です。


そんな謎が多い神様ですが、当社のご由緒には「寒川比古命・寒川比女命の二柱は大水上神の御子神であり、伊勢神宮内宮の末社、牟弥乃神社の祭神と同神である」と書かれています。

そう、伊勢にも寒川大神はお祀りされているんですね。当社もそうですし、山梨県富士吉田市の福地八幡社にも祀られてます。さらに「寒川」の地名だけで見れば意外とあちこちに見られますので、寒川とは相模国だけのローカルなものではなく、もっと普遍的なものを表す暗号みたいなものなのかもしれませんね。


ちなみに、大水上神は香川県三豊市の大水上神社に太古より祀られる水神様です。伊勢の神宮125社のうち、水に関する神社の6〜7割がこの大水上神の子神といわれるそうです。
私が初めて大水上神を参拝したのは、埼玉県秩父市にある小さな神社です。失礼ながらその時はこんなにすごい神様だとは思いもしませんでした。



（参考・参照）
・寒川神社小誌
・歴史から消された寒川の秘密