当神社の創立年代は不詳ながら三河国内神明帳に「正三位寅之大明神坐渥美郡」とあり、寛文十一年の高塚村発定書付には「戸とうの宮様」と記されている。また明治二年の神社巨細取調書は「トトフの大明神」と称え、明治五年の郷社制度制定を機に「菟頭神社」と改称され今日に至っている。なお、当社は明応地震(一四九八)以降も幾度もの自然災害により社地の後退を余儀なくされ、数十石の神領地は消滅した。然し、元和九年十二月(一六二三)戸田生勝の当村襲封により、歴代嫡流領主は当社への崇敬深く村内の字一ノ沢、字一ノ溝、字笹原の三ヶ所内に土地一町歩余の寄進を始め、遷宮、造営の都度、神饌幣帛を供進され、今日の当社隆昌の基盤となった。
更に付言するに当社は昭和二十三年十月十日、神社庁等級審議会に於いて九等級社と認証された。