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地蔵菩薩とは?自ら六道を巡り、全ての生き物を救う仏様の起源や信仰を徹底解説
※記事中に使用したイラストの無断転載を禁止します。
「地蔵菩薩ってどんな仏様?」
「道端に祀られている理由は?」
「地蔵菩薩が有名なお寺を知りたい!」
全国8万ヶ寺以上のお寺を紹介する日本最大の神社お寺・御朱印の検索サイト「ホトカミ」編集部の高原です。
こんな仏像を見たことありませんか?
これは地蔵菩薩(じぞうぼさつ)という仏像です。
道端などにもよく祀られており、他の仏様よりも身近に感じる方もいるのではないでしょうか。
他の菩薩と異なり、頭を剃り質素な姿をしているのが特徴的ですが、なぜそのような姿をしているのか不思議に思いませんか?
そこでこの記事では、地蔵菩薩が特徴的な姿をしている理由やどんな仏様なのかを紹介します。
地蔵菩薩を知ることで、お寺への参拝がより深く楽しい体験になるはず。
ぜひ最後までお読みください。
- 地蔵菩薩は坊主頭で質素な姿をしており、輪廻転生する全ての生き物を救う仏様
- 【元は古代インドの神様】地蔵菩薩の起源
- 【私たちを近くから見守り救う仏様】地蔵菩薩の信仰
- 地蔵菩薩が有名なお寺
- 終わりに
目次
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地蔵菩薩は坊主頭で質素な姿、輪廻転生する全ての生き物を救う仏様
地蔵菩薩は、輪廻転生する全ての生き物を救う仏様です。
地蔵菩薩は、アクセサリーなどをつけず質素な服装をしています。
・坊主頭(剃髪:ていはつ)
・右手に杖(錫杖:しゃくじょう)
・左手に玉(宝珠:ほうじゅ)
の3点セットで地蔵菩薩です。
道端や庭に祀られる地蔵菩薩は何も持たずに合掌している場合もあります。
華やかな姿をしている他の菩薩と比べると、違いがわかりやすいですね。
【元は古代インドの神様】地蔵菩薩の起源
地蔵菩薩は、輪廻転生する全ての生き物を救う仏様です。
サンスクリット語ではクシティ・ガルバ(Kṣiti-garbha)といい
・クシティ=大地
・ガルバ=胎内
の2つを合わせて「生命を生み出し育む大地のような仏様」という意味があります。
地蔵菩薩の正確な起源は定かではありませんが、古代インドの大地の生命力を神格化した神様を仏教に取り込んだものとされている説があります。
3世紀には中国に伝わり、8世紀ごろから少しずつ日本にも伝来し始めました。
そして、平安時代の末法思想(まっぽうしそう)と地蔵信仰が結びつき、やがて庶民にも広く信仰されるようになりました。
ここからは、地蔵菩薩と末法思想の関係含め、地蔵菩薩の信仰を紹介していきます。
【私たちを近くから見守り救う仏様】地蔵菩薩の信仰
前述の通り地蔵菩薩は輪廻転生する全ての生き物を救う仏様です。
他の仏様は天上から人々を救済するのに対して、地蔵菩薩は自ら六道を巡り人々を救済する、現場主義的な仏様なのです。
このことから、宝冠など煌びやかな姿をした他の菩薩と異なり、頭を剃り、質素な姿をしているのです。
特に、「十輪経(じゅうりんきょう)」という経典の中では地獄に落ちた人々でさえもその苦しみから救済するとされており、かつて処刑場だった鎌倉の建長寺には、処刑された人々の救済を祈るため地蔵菩薩が祀られています。
このような地蔵菩薩の信仰は末法思想と結びつき平安時代に広まっていきました。
末法思想と地蔵菩薩
お釈迦様が亡くなってからおよそ2000年後の平安時代末期ごろから末法という時代に入り、約56億年後
に弥勒菩薩がこの世に現れ人々を救うまでの間、世相は荒れ、修行によって悟りを得て救済されることができなくなってしまうと言われていました。
つまり、自力で救済を得ることができず、六道(りくどう)を彷徨うしかない時代になってしまうということです。
そこで地蔵菩薩は、お釈迦様が亡くなってから弥勒菩薩が現れるまで間、六道に彷徨う生きとし生けるものを救う仏様として信仰されるようになりました。
仏教では、私たちは6つの世界を生まれ変わりながら徳を積んでいき、最終的にはすべてから解放された世界を目指します。
この6つの世界のことを六道と呼びます。
六道にはそれぞれの世界に対応する観音菩薩が存在します。
観音菩薩の説明はこちら≫
地蔵が道端に祀られる理由
地蔵菩薩が道端で祀られている理由は、日本における神様への信仰と融合したためです。
元々日本には道祖神(どうそじん)と呼ばれる、旅ゆく人や地域住民を守る神様が信仰されていました。
この道祖神と地蔵菩薩は、日本にもともとあった神様への信仰と、仏教の
仏様への信仰を調和させるための「神仏習合」という考え方の一環として、
同一の存在として考えられるようになりました。
このことから、道端に多くの地蔵が祀られるようになりました。
地蔵菩薩は、私たちにより近い距離で救いの手を差し伸べてくれる仏様ということがわかりましたね。
ここからは、そんな地蔵菩薩が祀られているお寺を紹介していきます。
地蔵菩薩が有名なお寺
六波羅蜜寺(京都府)地蔵菩薩立像・坐像
六波羅蜜寺には、立像は定朝(じょうちょう)、坐像は運慶と日本を代表する仏師によって制作された2体の地蔵菩薩があります。
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建長寺(神奈川県)地蔵菩薩坐像
建長寺の地蔵菩薩は、この地が処刑場だった時代に、処刑された罪人たちに祈りを捧げるために制作されました。
寺の創建後も、この地蔵菩薩は大切に受け継がれています。
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鈴虫寺(京都府)幸福地蔵菩薩
通常の地蔵菩薩は裸足ですが、鈴虫寺の地蔵菩薩は日本で唯一、草鞋をはいた姿をしています。
これは、地蔵菩薩が願いを叶えるために私たちの元へ歩いて来られることを表現しています。
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終わりに
ここまで地蔵菩薩の見分け方や役割について解説してきました。
六道を彷徨うもの全てを救う「地蔵菩薩」。
その姿や役割からも、私たちに近く親しみやすい仏様なのではないでしょうか。
仏像に込められた教えや物語を知ることで何気なく手を合わせていた仏像から、新たな学びや感動を得られるはずです。
ぜひ、この機会に仏像を見にお寺に参拝してみてはいかがでしょうか。
お寺に参拝した際には、ホトカミにも投稿してくださいね!
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神社お寺の検索サイト「ホトカミ」運営代表
吉田 亮
月間120万人の神社お寺ファンが使う神社お寺の検索サイト「ホトカミ」を運営する株式会社DO THE SAMURAI代表取締役。
東京大学理科II類入学後、文学部言語文化学科日本語日本文学(国語学)専修課程卒業。
2013年より日本文化や歴史を後世に繋ぐ事業を開始、2016年法人化。
これまで2000人以上の参拝者との対話や、累計1000万アクセスを超えるお参りに関する記事の執筆編集、100年後に神社を残すために社会と神社の接点を創出する。
ホトカミ編集部 御朱印記事ライター
高原 健太郎
日本文化や神社お寺が好きです。
独特の雰囲気に魅了されてから、寺社めぐりが趣味になりました。
イラストレーター
田中ひろみ
絵文人・仏像研究家(株)TERABIT代表、奈良市観光大使女子の仏教サークル「丸の内はんにゃ会」代表。
カルチャー センター講師。元ナース。テレビ出演、講演も多数。ART ・俳句・盆踊らー
著書 『イラストレーターが作った仏像ハンドブック』(ウェッジ) など約70冊
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