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十一面観音とは?11の顔で全てを見渡す仏様を徹底解説
※記事中に使用したイラストの無断転載を禁止します。
「十一面観音ってどんな仏様?」
「11の顔にはどんな意味があるの?」
「十一面観音の有名なお寺を知りたい」
全国8万ヶ寺以上のお寺を紹介する日本最大の神社お寺・御朱印の検索サイト「ホトカミ」編集部の高原です。
頭の上に11の顔がついている仏像を見たことありませんか?
この仏像は「十一面観音(じゅういちめんかんのん)」という仏像です。
特に、奈良県の聖林寺にある十一面観音像は国宝に指定されるほど有名です。
頭部に11の顔を持つ姿が印象的ですが、なぜ、このような姿になったのか不思議に思いませんか?
そこでこの記事では、十一面観音が11の顔を持つ理由や、どんな仏様なのかを紹介します。
十一面観音を知ることで、お寺への参拝がより楽しく深い体験になるはず。
ぜひ最後までお読みください。
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十一面観音は頭に11の顔がついた仏様
十一面観音は11の顔で人々の願いを叶える仏様です。
十一面観音はその名の通り頭に11の顔を持っています。
頭部の顔はそれぞれ異なる表情をしています。
・正面の3つは穏やかな顔:菩薩面(ぼさつめん)
・向かって右側の3つは怒り顔:瞋怒面(しんぬめん)
・向かって左側の3つは牙を出した顔:狗牙上出面(くげじょうしゅつめん)
・後ろの1つは大笑いした顔:大笑面(だいしょうめん)
・頭頂部の1つは如来の顔:仏面(ふつめん)
この11の顔には、全方位を見渡して人々の悩みや病気、悪い心から救い、あらゆる願いを叶えるという意味が込められています。
【はじめて変化した観音さま】十一面観音はインドで生まれた!?
観音菩薩は千手観音や馬頭観音など様々な姿に変化しますが、そのなかでも十一面観音は最初に変化した観音菩薩です。
顔が11個ついている理由については明確になっていませんが、7世紀ごろにヒンドゥー教のたくさんの顔や腕がついた多面多臂(ためんたひ)の像に影響を受けて誕生したとされています。
その後、中国で様々な観音菩薩が発展し、そのなかの一つとして、7〜8世紀ごろに日本に伝来し、各地で仏像が作成されるようになりました。
日本における最古の十一面観音の作例は、法隆寺の金堂にある壁画です。
サンスクリット語ではエーカダシャムカ(Ekadaśa-mukha)と呼ばれ、
・Ekadaśa(エーカダシャ)=11
・mukha(ムカ)=顔
という意味があり、合わせて「11の顔を持つ仏」という意味になります。
【現在と未来のご利益を同時に叶える】すべての願いを叶える十一面観音
十一面観音はその名の通り、11の顔で全方位を見渡すことで人々の願いをキャッチし、解決する仏様として信仰されています。
また、十一面観音には、十種勝利と四種功徳と呼ばれる利益があるとされています。
十種勝利(じゅっしゅしょうり)には、
・病気をしないこと
・すべての如来(仏)の守護を受けること
・財産や宝物を守り得ること
・敵を服従させること
・王や権力者に敬愛されること
・毒や熱病にかからないこと
・刃物で傷つけられないこと
・水難事故で命を落とさないこと
・火事で命を落とさないこと
・不慮の事故で命を落とさないこと
の10の利益があり、生きている間に効果がある現世利益的な教えになっています。
四種功徳(ししゅくどく)には、
・死の間際に仏を見ること
・悪い世界(地獄など)に落ちないこと
・危険な状況で命を落とさないこと
・極楽浄土に生まれ変わること
の4の利益があり、来世の平穏を祈るものになっています。
観音信仰の広がりや、たくさんの利益により、人々からの信仰を集めました。
十一面観音が有名なお寺
聖林寺(奈良県)十一面観音立像
奈良時代に制作された国宝に指定される仏像です。
アメリカの東洋美術史家のアーネスト・フェノロサも見惚れたと言われています。
ホトカミページを見る≫
室生寺(奈良県)十一面観世音菩薩立像
平安時代に制作された国宝に指定される仏像です。 上品で端正な女性的な顔立ちが特徴です。 ホトカミページを見る≫
ここまで、十一面観音のことについて詳しく解説してきました。
見分け方や、どのような利益があるかがわかりましたね。
十一面観音は、大きく分けて「如来、菩薩、明王、天部」の4つに分類される仏様の中で、上から2番目の菩薩と呼ばれるカテゴリーに属しています。
ここからは「菩薩とは何なのか?」また、「観音菩薩とは何なのか?」について簡単に解説していきます。
菩薩は悟りを開く前の存在
菩薩(ぼさつ)は、悟りを求めつつ人々を救済する、出家前のお釈迦様の姿をしている仏像です。
「菩薩=悟りを開く前」と覚えましょう。
出家前のお釈迦様はインド釈迦族の王子であったため、
如来と比べて綺麗な服装やアクセサリーを付けていて、千手観音も煌びやかな姿をしています。
菩薩にもたくさんの種類がありますが、中でも有名なのが観音菩薩です。
では、観音菩薩はどんな存在なのでしょうか?
さまざまな姿に変化する観音菩薩
観音菩薩は、「音を観る」という名の通り、世の人々の声を聞き、その悩みや苦しみから救う仏様です。
一般的な菩薩との違いは、人々の声に対応するために様々な姿に変化することです。
例えば、頭上に馬の頭をつけた馬頭観音は、雑草を食い尽くすように一切の煩悩をなくすために姿を変えています。
また、様々な姿に変化した観音菩薩をまとめて「変化観音(へんげかんのん)」と呼びます。
六観音:6つの世界を救う観音菩薩のチーム
仏教では、私たちは6つの世界を生まれ変わりながら徳を積んでいき、最終的には全てから解放された世界を目指します。
六観音は、その六つの世界それぞれに対応した観音菩薩のことです。
そのなかでも千手観音は常に渇きと飢えに苦しむ世界である餓鬼道を救う仏様でもあります。
詳しくはこちらの菩薩の特徴や見分け方の記事で解説しています!
>>【初心者必見】菩薩の見分け方ガイド!観音や弥勒など菩薩の種類と役割を徹底解説
終わりに
ここまで十一面観音の見分け方や役割について解説してきました。
11の顔で全ての方向を見渡す「十一面観音」
頭部にたくさんの顔がついたインパクトのある姿にはたくさんの意味が込められています。
仏像に込められた教えや物語を知ることで何気なく手を合わせていた仏像から、新たな学びや感動を得られるはずです。
ぜひ、この機会に仏像を見にお寺に参拝してみてはいかがでしょうか。
お寺に参拝した際には、ホトカミにも投稿してくださいね!
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神社お寺の検索サイト「ホトカミ」運営代表
吉田 亮
月間120万人の神社お寺ファンが使う神社お寺の検索サイト「ホトカミ」を運営する株式会社DO THE SAMURAI代表取締役。
東京大学理科II類入学後、文学部言語文化学科日本語日本文学(国語学)専修課程卒業。
2013年より日本文化や歴史を後世に繋ぐ事業を開始、2016年法人化。
これまで2000人以上の参拝者との対話や、累計1000万アクセスを超えるお参りに関する記事の執筆編集、100年後に神社を残すために社会と神社の接点を創出する。
ホトカミ編集部 御朱印記事ライター
高原 健太郎
日本文化や神社お寺が好きです。
独特の雰囲気に魅了されてから、寺社めぐりが趣味になりました。
イラストレーター
田中ひろみ
絵文人・仏像研究家(株)TERABIT代表、奈良市観光大使女子の仏教サークル「丸の内はんにゃ会」代表。
カルチャー センター講師。元ナース。テレビ出演、講演も多数。ART ・俳句・盆踊らー
著書 『イラストレーターが作った仏像ハンドブック』(ウェッジ) など約70冊
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