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お遍路に行こう!初心者でも安心、四国八十八ヶ所の準備から歩き方まで紹介

最終更新:2020年10月31日(土)
公開:2018年12月19日(水)

「お遍路に行ってみたい!」
「お遍路に必要な持ち物や服装ってなんだろう?」
「八十八ヶ所を回るためには、たくさんお金がかかりそう・・・」

「お遍路に行きたいな」と思っても、わからないことが多くて不安ですよね。


こんにちは、日本最大の神社お寺のお参りの記録投稿サイト「ホトカミ」運営代表の吉田です。
今回のテーマは 「お遍路・四国八十八ヶ所巡り」

私は知り合いのお坊さんにオススメされ、2018年9月9日から9月11日まで歩いてお遍路・四国八十八ヶ所巡りに行ってきました。

また、私の知人Oさんは数年前、仕事が忙しく、体調を崩してしまいました。
Oさんは「リフレッシュするために、お遍路に行きたい」と思いつつ、免許を持っていないため、 「車に乗れないと、お遍路ができない」と諦めていました。しかし後々、バスツアーや、歩いてお遍路する人もいると知り、 歩き遍路に挑戦したところ、心身ともに健康を取り戻すことができました。

Oさんの後悔は、
「お遍路の行き方を知りたかった!」

そこで今回は、Oさんのようにお遍路に行けないあなたのために、
実際にお遍路に行ってきた私が、
【知識編】「お遍路の基本知識」にはじまり、
【準備編】「お遍路の4つの移動手段」「お遍路に必要な持ち物・入手方法」「お遍路の宿泊場所」、
さらに【実践編】「お遍路のお参りの作法」を紹介します。

この記事を読めば、
「あなたもお遍路に行けます!」
さっそく【知識編】「お遍路の基本」について、みていきましょう。

編集
ホトカミ運営代表

吉田 亮


1990年岐阜生まれ。東京大学文学部卒。
「100年後にも感謝される事業」を目指して、神社お寺のお参りの記録投稿サイト「ホトカミ」や多言語お参りガイドなどを提供する株式会社DO THE SAMURAIの代表取締役。
執筆
ホトカミ編集部仏教担当

横井 郷


愛知県出身の仏教系大学生。一般家庭出身だがさまざまなご縁により仏教に興味を持ち、
あらゆる視点から仏教の可能性を追求している。
好きな仏さまは蔵王権現(ざおうごんげん)。

    目次

  1. 【知識編】お遍路の基本を知ろう
  2. 【準備編①】お遍路の4つの移動手段
  3. 【準備編②】お遍路に必要な持ち物・入手方法
  4. 【準備編③】お遍路の宿泊場所
  5. 【実践編】お遍路のお参りの作法
  6. お遍路の気になる疑問を解決
  7. まとめ

【知識編】お遍路の基本を知ろう

せっかく「お遍路に行きたい」と思っても、
お遍路独特の言葉がはじめは難しく感じるかもしれません。

そこでまずは【知識編】として、お遍路の基本的な知識を紹介します。

「お遍路をつくった弘法大師」「1200年続くお遍路の歴史」「お遍路でよく使われるキーワード」など、お遍路を語るときに欠かせないテーマから紹介します。

それでは、みていきましょう。

お遍路とは、八十八ヶ所のお寺をお参りする旅のこと

お遍路とは、四国に八十八ヶ所ある弘法大師(空海)が修行したお寺をお参りする旅のことです。

四国(徳島・高知・愛媛・香川)すべてを回るお遍路の道のりはなんと、約1400キロにも及びます。

ちなみに、青森県青森市から山口県下関市まで歩いた距離(1464キロ)とほとんど同じです。本州を端から端まで歩いた距離と同じなんて、お遍路はとても長いんですね。

また、 お遍路の八十八ヶ所すべてを回り終えたら、最後まで無事に回れたことの感謝を込めて、弘法大師がいる高野山(和歌山県)へお参りします。


お遍路のベストシーズンは、気候の安定する春と秋です。
車でお遍路する場合でも、お寺の急な階段を上り下りするので、暑すぎず寒すぎない春と秋がお遍路に人気です。

夏と冬は、お遍路する方が少ないため、ゆったりとお参りできます。
ただし、冬には気候などの影響から休業しているお寺や宿坊(お寺での宿泊)もあるので、予定を立てるときは注意しましょう。


お遍路の目的は、亡くなった方の供養や健康祈願、自分探しなど人それぞれです。

お遍路は、四国八十八ヶ所巡りや、四国遍路などともいいます。
この記事では、統一して「お遍路」と表記します。


それでは、お遍路をより深く知るために、まずは「お遍路をつくった弘法大師」について紹介していきます。

お遍路をつくった弘法大師とは?

「弘法(こうぼう)は筆を選ばず(名人はどんな道具でも使いこなせる)」
「弘法も筆の誤り(名人でも間違いをしてしまうことがある)」
ということわざを聞いたことがありませんか?

このことわざの、弘法とは弘法大師(こうぼうだいし)のことを指します。

もとは「空海」という名前のお坊さんでしたが、醍醐天皇から弘法大師という名前が贈られ、弘法大師とも呼ばれるようになりました。

弘法大師と空海は同一人物です。
この記事では、「弘法大師」に統一します。

それでは、弘法大師の誕生から、現代に至るまでの歴史を分かりやすく紹介します。
弘法大師を知れば、お遍路に行きたくなること間違いなし。

弘法大師は774年に讃岐国(現在の香川県)で生まれ、平安時代に活躍したお坊さんです。


18歳のころ、京都の大学で役人を目指していましたが、役人になることが人々を救う道ではないとして大学を中退、出家してお坊さんになる道を選びました。
役人の道を捨ててお坊さんになるのは、当時とても大変なことでした。

その後、 高知県室戸岬での修行中に見えた空と海の景色に感銘を受け、「空海」と名乗るようになりました。

修行中に知った新しい仏教である密教を学ぶため、遣唐使として唐へ留学します。
留学期間は20年の予定でしたが、たったの2年間で密教を完全にマスターし、異例の早さで日本に帰国します。

帰国後は密教を日本に伝え、人々を救うために 社会事業にも力を入れました。弘法大師の出身地である香川県には、弘法大師が中国の技術を使って工事した、日本最大の農業用のため池(満濃池)が今でも使われています。
さらに、みかんやうどんも日本に伝えたといわれています。今ではどちらも四国の特産品ですね。

また、同じころ、 密教の修行道場として高野山(和歌山県)を開きます。
晩年は高野山にて、すべての人々を救うと誓い、 835年に入定(にゅうじょう / 永遠の瞑想に入ること)しました。

弘法大師が今でも生きて瞑想しているため、現代でも多くの人々が高野山にお参りしています。
また、 お遍路の八十八ヶ所すべてをお参りした人は、最後に高野山に登り、弘法大師のいる奥の院へお参りします。

ここまで紹介してきたように弘法大師は、唐から持ち帰った密教などを通じて人々を救い、今でも多くの人々に信仰されているんです。


次は、その弘法大師がつくった「お遍路の歴史」をみていきましょう。

1200年以上続く、お遍路の歴史

四国では、弘法大師がお遍路をつくる以前から多くの修行者が山々を歩きわたる修行をしていました。

今から1200年前(815年ごろ) 弘法大師が、四国のお寺を巡り、修行をしたのがお遍路のはじまりです。

はじめは、道もあまり整備されていませんでしたが、室町時代ごろには今のお遍路の道の原型ができました。
江戸時代には一般庶民も旅行に出かけるようになり、伊勢神宮へのお参りと同じく修行と観光を兼ねてお遍路に行く人が増えました。このころには、『四国邊路道指南』(しこくへんろみちしなん)というお遍路のガイドブックも出版されました。

現代では高速道路なども整備され、日本全国から多くの人々がお遍路に訪れるようになりました。
2015年には、お遍路がはじまり1200年経ったことを記念して、四国をあげて大きなお祭りが行われました。

時代が進むにつれて、誰でもお遍路に行くことができるようになったんです。

次は、お遍路に行く準備をするために、「お遍路キーワード」をマスターしましょう。

これだけ覚えよう!お遍路キーワード

ここでは、お遍路に行く準備をするための10個のキーワードを紹介します。

例えば、地元の方の善意で食べ物や飲み物をいただく、「お接待(おせったい)」というお遍路だけの風習もあるんですよ。

お遍路キーワードを知っていれば、お遍路について語ることができますよ。

それではまいりましょう。

お遍路さん

お遍路を回る人のことを「お遍路さん」と呼びます。

巡拝(じゅんぱい)

巡拝とは、各地のお寺をお参りして回ることです。

同行二人(どうぎょうににん)

同行二人とは、「弘法大師と自分の二人で巡拝している」という意味の言葉です。お遍路用の菅笠やカバンなどもにも書かれています。

札所(ふだしょ)

お遍路でお参りする八十八ヶ所のお寺のことを札所といいます。
八十八ヶ所のお寺にはそれぞれ番号が振られており、道路標識やガイドブックなどには、「1番札所」のように書かれています。

打つ(うつ)

札所(ふだしょ)をお参りすることを、「打つ」といいます。
昔は自分の名前や住所を書いた木札をお寺の柱などに打ち付けていたことから、「打つ」と呼ぶようになりました。

納経(のうきょう)

納経とは、お参りしてお経を読んだり、写経を奉納することです。
納経の証として、御朱印をいただきます。

御影(みえい)

御影とは、納経のときに、御朱印と一緒に授与される、その札所のご本尊さまの姿が描かれたお札のことです。御影は、「おみえ」や、「おすがた」などとも呼ばれ、ご本尊さまの分身とされています。

先達(せんだつ)

先達とは、お遍路について深い知識や経験を持ち、お参りの作法などに詳しいお遍路の案内人のことです。
お遍路を4周以上回った経験豊富な人だけが、先達の資格を得ることができます。
先達はバスツアーに同行する場合が多いです。

発願・結願(ほつがん・けちがん)

最初のお寺にお参りすることを発願(ほつがん)、八十八ヶ所にあるすべての札所を回り終えることを結願(けちがん)といいます。

お接待(おせったい)

お接待とは、地元の方の善意で、食べ物や飲み物などをいただく風習のことです。
お接待には、「自分の代わりにお参りを託す」という意味があるため、基本的に断らず、ありがたくいただくのが礼儀です。

ここではお遍路に行く準備をするための10個のお遍路キーワードを紹介しました。
これだけ知っていれば現地でも困りません。安心ですね。


【知識編】の最後に、「順打ち」「逆打ち」「通し打ち」「区切りうち」という、
お遍路を回る4つの方法を紹介します。

1200年前の伝説から始まった、逆に回る方法もあるんですよ。

お遍路の4つの巡拝方法

八十八ヶ所の札所を回るお遍路では、「順打ち」「逆打ち」「通し打ち」「区切りうち」の4つの巡拝方法があります。

順打ち(じゅんうち)

お遍路は1番から88番までの札所がありますが、 1番から順番に巡拝することを順打ちといいます。お遍路のなかでも最も一般的な巡拝方法です。
徳島県にある1番札所霊山寺(りょうぜんじ)から四国をおおよそ時計回り(徳島→高知→愛媛→香川)にお参りします。

逆打ち(ぎゃくうち)

逆打ちは、1番からではなく88番から回る巡拝方法です。順打ちの逆で、おおよそ反時計回りにお参りします。

逆打ちは1200年前の伝説に由来があります。
その伝説によると、衛門三郎(えもんさぶろう)という弘法大師に対して悪行を犯した人がいました。
衛門三郎は、弘法大師に会って許してもらうために、お遍路を20周回るも会えませんでした。
そこで、逆方向に回ったところ、弘法大師に会うことできました。
この衛門三郎の伝説が逆打ちの始まりとされています。

衛門三郎が弘法大師に会った年が、4年に一度のうるう年だったため、逆打ちはうるう年に行うと良いとされます。うるう年は夏のオリンピックと同じ年と覚えておくといいですね。
逆打ちのご利益は3倍ともいわれています。

通し打ち(とおしうち)

1番から88番までの札所を中断せずに回ることを通し打ちといいます。最も大変な巡拝方法ですが、一気に回ったという達成感があり、お遍路の醍醐味を味わうことができます。

区切り打ち(くぎりうち)

区切り打ちとは、八十八ヶ所を何回かに分ける巡拝方法です。1回の負担を減らし、自分の予定に合わせて柔軟にお遍路に行くことができます。
例えば、車でお遍路する場合、全行程を2泊3日ごとに区切り、おおよそ4回ほど、計12日間で回ることができます。
前回の最後にお参りした札所を、次回のスタート地点とするのが原則です。

お遍路は、1番から番号通りに回るだけでなく、反対から回る方法などもあるんですね。


ここまで【知識編】として、お遍路の基本的な知識を紹介しました。


ここからは【準備編】として、実際にお遍路に行く準備ができるように、
「移動手段」「必要な持ち物・入手方法」「宿泊場所」を紹介します。

まずは、【準備編①】「お遍路にはどんな移動手段があるか」を解説します。
冒頭のOさんのように、車を運転できなくてもお遍路は回れるんですよ。

それでは、みていきましょう。

【準備編①】お遍路の4つの移動手段

お遍路を回るには、「歩き」だけではなく、「バスツアー」や、「タクシー」で回る方法もあるんですよ。

ここでは【準備編①】として、 代表的なお遍路の回り方「車」「バスツアー」「歩き」を魅力と注意ポイントの観点から紹介します。

あなたの予定や予算にあわせた方法を選んでみてください。
※料金などの目安は参考程度にご覧ください。

最も一般的な車でお遍路

お遍路で最も一般的な移動手段は、自家用車、もしくはレンタカーを使って回る方法です。

電車やバスなどの公共交通機関と違い、時間の制約が少ないことが最大のメリットです。
また、自由に移動できるため、お寺以外の観光地なども気軽に寄ることができます。

お遍路にかかる日数
通し打ち:9泊10日
(高野山も行く場合はもう1日かかります。)
区切り打ち:2泊3日を4回
(4回目に高野山に行く行程も含みます。)

予算
12万円~
<内訳>
宿代:9万円〜(1泊2食つき1万円として)
昼食費:1万円〜
ガソリン代:2万円〜
レンタカーを利用する場合はレンタカー代(1日あたりおよそ7000円〜)

魅力
天気や時間を気にする必要がない。
自分の予定に合わせて自由に回ることができる。
宿泊場所がルートから離れていても、臨機応変に対応できる。
お寺から離れた観光地にも立ち寄りやすい。

注意ポイント
お遍路のルート上、狭い山道など、運転が難しいところもある。
市街地や幹線道路は渋滞の可能性がある。
冬は凍結する道もあり、スタッドレスタイヤなどの準備が必要。

初心者でも安心、バスツアーでお遍路

初心者やお年寄りにオススメなのが、旅行会社が主催するバスツアーに参加する方法です。

同行する先達さんに、お参りの作法などを丁寧に教えていただけるほか、宿や食事の手配の心配も必要ないのが最大のメリットです。

そのため、初心者でも安心してお遍路に行くことができます。

お遍路にかかる日数
通し打ち:10泊11日
区切り打ち:2泊3日、3泊4日
(旅行会社のプランによります。)

予算
<東京発> 
通し打ち:30万円〜 区切り打ち:11万5000円〜

<大阪発> 
通し打ち:25万円〜 区切り打ち:5万円〜

<徳島発>
通し打ち:16万円〜 区切り打ち:3万5000円〜

魅力
バスツアーに同行する先達さんが案内してくれるため、お遍路の作法で困る心配がない。
食事や宿泊先も旅行会社が手配してくれるため、安心。
御朱印は添乗員がまとめて受け取るため、並ぶ必要がない。

注意ポイント
お遍路のベストシーズンである春や秋、繁忙期などは予約が混み合う。
時間厳守の団体行動のため、時間やコースなどの自由度が低い。
お接待など、地元の方との交流が少ない。

人生で一度は、歩きお遍路

自分の力でお遍路を回りたいという人にオススメなのは、歩きでお遍路する方法です。

四国の自然を全身で感じ、地元の人との交流を楽しみながら回れるのが最大の魅力です。
体力的、精神的にキツいときも多々ありますが、結願したときの達成感は、歩き遍路でしか味わうことができません。

ホトカミ編集部では、1番から11番までだけでも歩いてみることを強くオススメします!
(2泊3日で歩けます。)

お遍路にかかる日数
通し打ち:約50日
区切り打ち:約50日をプランに応じて区切る

予算
45万円〜
1日1万円〜
<内訳>
宿泊費:40万円〜
食費:5万円〜

魅力
歩き遍路ならではの達成感を味わうことができる。
四国の自然、風土、文化などを全身で感じることができる。
お接待を受けるなど、地元の人や、他のお遍路さんとの交流を楽しめる。

注意ポイント
日程が長くなる分、予算も高い。1日の予算は1万円ほど。
ルートには、丸1日かけて山を越えたり、2日かけて海沿いを歩く場所など、難所がいくつもあるため、体力的、精神的に苦しい。
最小限の荷物しか持てないため、お土産などを買うことができない。

その他の行き方

他にもお遍路を回る方法は様々です。

今回は、「タクシー」「自転車・バイク」でのお遍路を紹介します。

タクシー遍路

9人までの少人数グループには、タクシーを貸し切って回るタクシー遍路がオススメです。

予算
4〜5人乗りのタクシー:1日3万5000円〜
9人乗りのジャンボタクシー:1日5万円〜
さらにドライバーの宿泊費、昼食代、駐車料金、高速料金などが加わる。

魅力
ドライバーが先達の資格を持っている場合、お参りの作法など案内していただきながら安心してお参りできる。
札所以外の観光地などにも、自由に立ち寄ることができる。

注意ポイント
バスツアーに比べると値段が割高になる。

自転車遍路・バイク遍路

徒歩よりも早く移動し、全身で自然を感じながら回りたい方にオススメなのが、自転車遍路・バイク遍路です。

予算
自転車:歩きと同じく1日1万円〜
バイク:車と同じく通しで12万円〜
<バイク遍路の内訳>
宿代:9万円〜(1泊2食つき1万円として)
昼食費:1万円〜
ガソリン代:2万円〜

魅力
風を感じながらお遍路を回れる。
歩きと同じく、お接待をいただく機会が多い。

注意ポイント
雨が降った場合に備え、レインウェア(丈夫な雨具)などの準備が必要。
タイヤのパンクや、チェーンが外れる、エンジンのトラブルなど、故障に備える必要がある。

ここまで【準備編①】「お遍路の4つの移動手段」を紹介しました。

運転できる方は車、初心者の方はバスツアーに参加すると安心ですね。
ホトカミ運営では2泊3日、1番から11番だけでもいいので歩き遍路をオススメします。

次に、【準備編②】「お遍路に必要な持ち物・入手方法」を紹介します。

しっかりチェックして、お遍路に行く準備を進めていきましょう。

【準備編②】お遍路に必要な持ち物・入手方法

いざ、お遍路に行く準備をしようと思っても、
「お遍路に必要な道具なんて、どこで手に入るの?」
「何を持っていけばいいの?白い服は必需品?」
「予算は、いくらくらい?」
と不安になりますよね。

そこで、【準備編②】では「お遍路に必要な持ち物・入手方法」を紹介します。
必要な持ち物の詳細だけでなく、最低限必要な予算などもお伝えするので、しっかりチェックしてくださいね。

それでは、まいりましょう。

必要なお遍路グッズの入手方法

まずは「必要なお遍路グッズの入手方法」を紹介します。

結論からいうと、必要なお遍路グッズは「1番札所霊山寺の売店」ですべて揃えることができます。
実際、私も「1番札所霊山寺の売店」でお遍路グッズをすべて揃えました。

しかし他にも、四国各地のお遍路用品店や通販サイトでも揃えることができます。

今回はお遍路グッズの入手方法として、「1番札所霊山寺」「現地のお遍路用品店」「通販サイト」を紹介します。

まずは、すべてが揃う1番札所の霊山寺をみていきましょう。

1番札所霊山寺

ほとんどのお遍路さんが最初に訪れるであろう、1番札所霊山寺(りょうぜんじ)に売店があります。
こちらの売店で、お遍路に必要なグッズをすべて揃えることができます。
お遍路を始める前に、必要なものをここで揃えましょう。

実際に私も、1番札所霊山寺の売店ですべて買いました。
必要なものと、その使い方など、不安なことをお店の人が親切に教えてくれました。

現地のお遍路用品店

それぞれの札所や、駅の近くには、お遍路グッズを扱うお店がたくさんあります。

もし、お遍路の途中で線香などが足りなくなっても大丈夫です。
足りないものがあれば、その都度、現地のお遍路用品店で買い足しましょう。

通販サイト

通販サイトでもお遍路グッズを買うことができます。

「出発前に、家で準備万端にしておきたいけど、近くにお遍路グッズを扱うお店がない・・・」という方でも、通販サイトを使えば揃えることができます。

お遍路グッズの入手方法として、「1番札所霊山寺」「現地のお遍路用品店」「通販サイト」を紹介しました。

どこのお店で買うか迷っている人は、1番札所霊山寺ですべて購入することをオススメします。


必要なグッズの入手方法がわかったところで、実際にお遍路に必要なものをみていきましょう。

お遍路に必要なもの

お遍路グッズの入手方法がわかっても「お遍路には何が必要なんだろう?」「お金はいくらくらいかかるんだろう?」と、不安になりますよね。

次に、「お遍路に最低限必要なもの」
持っていなくてもお遍路を回ることはできるが「あるとよいもの」に分けて、お遍路に必要なグッズを紹介します。

はじめは最低限必要なものから揃えて、少しずつお遍路グッズを買い足してもよいかもしれませんね。

まずは、「お遍路に最低限必要なもの」から紹介します。

納経帳(のうきょうちょう)

納経帳とは、札所で御朱印をいただく帳面のことです。
四国八十八ヶ所すべての御朱印をまとめることのできる、「四国八十八ヶ所」などと書かれた専用の納経帳を選びましょう。

経本(きょうほん)

経本とは、お参りするときに読むお経が書かれた本です。
お遍路さん向けにまとめられた、お遍路用の経本があります。

輪袈裟(わげさ)

輪袈裟とは、写真のような首から下げるもので、お参りするときにつける正装です。白衣を着ずに輪袈裟だけつけている人もいます。
お手洗いのときには、不浄な場所に持ち込まないという意味で、外しておくのが習わしです。

納め札(おさめふだ)

納め札とは、お参りの証として奉納する紙のお札のことです。
本堂と大師堂の2か所に納めるため、1つの札所あたり2枚必要です。

また、お接待をいただいた人に渡したり、お遍路さん同士で納め札を交換することもあります。

お参りする前日に、納め札に名前、住所、日付、願い事、年齢(数え年)を書いておきましょう。
例えば、次の日に7つの札所をお参りする予定ならば、最低14枚は必要なので、余裕を持って20枚ほど書いて準備しておきましょう。

ちなみに、巡拝した回数で納め札の色が変わります。最初の人は白の納め札からはじまり、回数に応じて緑、赤、銀、金、錦と色が異なります。

数珠(じゅず)

数珠はお参りするとき、手にかけて使います。
真言宗の数珠は、珠(たま)が煩悩の数の108個付いています。ただし、ご自身の宗派の数珠があれば、それを使っても構いません。
数珠は持っているだけでも、厄除けになるといわれています。

ろうそく・線香・ライター

ろうそくや線香は、お参りするときお供えします。
お寺で販売している場合もありますが、準備しておきましょう。ろうそくは5~7センチの短いもので十分です。火をつけるマッチやライターも忘れず準備しましょう。

お賽銭

お参りするときに、「小銭が足りない」ということがないように、事前に両替をしておきましょう。1ヶ所の札所あたり少なくとも2枚準備しましょう。

ちなみに私は、11ヶ所の札所を回るのに、30枚の100円玉を準備しました。喉が渇いたとき、自販機で飲み物を買うこともできたので、多めに小銭を準備しておいて良かったです。


ここまで紹介してきた「お遍路に最低限必要なもの」をまとめると、以下のようになります。

    【お遍路に最低限必要なもの】
    納経帳(2600円程度)・・・納経帳とは、札所で御朱印をいただく帳面
    経本(350円)・・・お参りするときに読むお経が書かれた本
    輪袈裟(1900円程度)・・・お参りするときにつける正装
    納め札(120円程度)・・・札所で納める紙のお札
    数珠(4000円程度)・・・お参りするとき持つ数珠(吉田は家から持参)
    ろうそく・線香・ライター(400円・400円・100円程度)
    合計:9750円程度(お賽銭を除く)
    ※金額は、筆者が実際に1番札所霊山寺で購入した際の金額に基づく。

ここまで「お遍路に最低限必要なもの」を紹介してきました。

次に、持っていなくてもお遍路を回ることはできるが「あるとよいもの」を紹介します。

あるとよいもの

ここからは、持っていなくてもお遍路を回ることはできるが「お遍路にあるとよいもの」を紹介します。

より本格的なお遍路さんになるための道具や、あると便利なお遍路グッズを紹介します。
予算などに合わせて、買い足してくとよいでしょう。

白衣(びゃくえ)・おいずる

白衣・おいずるとは、お遍路さんが着る白い服です。
袖があるものを白衣、袖がないものをおいずるといいます。どちらも背中に「南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)」と書かれています。

納経所で、白衣に御朱印をうけることもできます。そのときは「着用する白衣」と「御朱印をいただく白衣」の2枚準備しましょう。

菅笠(すげがさ)

菅笠は、日よけにも、雨具にもなる便利な笠です。弘法大師をあらわす梵字(ぼんじ)が書いているほうが正面に被ります。

お参りするときは帽子を脱ぐのがルールですが、この菅笠はお遍路の正式な道具として扱われるため、脱がなくても大丈夫です。

金剛杖(こんごうづえ)

金剛杖とは、長さ1.3メートルほどのお遍路さんの証となる木製の杖です。

この杖は、弘法大師の身代わりであることから、丁寧に扱いましょう。
また、宿についたら杖先をきれいにします。

かつて弘法大師が橋の下でつらい体験をしたとされているので、橋の上では杖をつかないという習わしがあります。

さんや袋(ずた袋)

さんや袋は、お参りに必要なもの入れる、肩から斜めにかけるカバンです。この中に納経帳や経本などを入れておきます。
また、ずた袋とも呼ばれます。

ろうそく・線香ケース

ろうそく・線香・ライターなどを入れるケースです。

私は、1番札所霊山寺の売店で、お店の人に勧められて買いました。
カバンの中を探さなくても、ろうそく・線香・ライターをすぐに取り出すことができるので、とても便利でした。

納め札袋

納め札をしまっておくための袋です。そのままだとバラバラになってしまうこともあるので、あると便利です。

持鈴(じれい)

持鈴とは、魔除け、獣除けのために、カバンや服につける鈴です。

塗香(ずこう)

身を清めるために使う、塗るお香です。

雨具

意外と忘れがちなものが雨具です。
特に歩きの方は、雨天でも快適に歩くために、できるだけ質のいいレインウェアを準備するとよいでしょう。

ここまで紹介してきた「お遍路にあるとよいもの」をまとめると、以下のようになります。

    【お遍路にあるとよいもの】
    白衣・おいずる(2800円程度)・・・お遍路さんが着る白い服
    菅笠(2800円程度)・・・お遍路中に被る笠
    金剛杖(1250円程度)・・・弘法大師の代わりとなる杖
    さんや袋(2300円程度)・・・道具を入れておくカバン
    ろうそく・線香ケース(750円程度)・・・ろうそくと線香を収納できるケース
    納め札袋・・・納め札を入れておく袋
    持鈴・・・魔除け、獣除けのためにつける鈴
    塗香・・・手に塗って使う塗香
    雨具・・・雨の中で移動するための雨具
    合計:9900円程度
    ※金額は、筆者が実際に1番札所霊山寺で購入した際の金額に基づく。

実際にかかったお金

【準備編②】「お遍路に必要な持ち物・入手方法」の最後に、
実際に私がお遍路に行った際に一番札所霊山寺で購入したお遍路グッズと、その金額を紹介します。

私は実際に以下の道具を購入しました。

    【私が実際に購入したお遍路グッズ】
    白衣 2800円
    白衣(ズボン) 2300円
    輪袈裟 1900円
    さんや袋 2300円
    菅笠 2800円
    金剛杖 1250円
    経本 350円
    ろうそく・線香ケース 750円
    ろうそく 400円
    線香 400円
    納め札 120円
    納経帳 2600円
    合計 1万7970円

私はカタチから入るタイプの人間なので、「最低限必要なもの」に加えて、白衣などの「あるとよいもの」も揃えました。

しかし、「最低限必要なもの」さえ揃えれば、お遍路に回ることができるので、まずは必要なものから準備しましょう。


必要なものが揃ったところで次に、【準備編③】として「お遍路の宿泊場所」を紹介します。
お寺に泊まることができる宿坊についてもお伝えしますよ。

【準備編③】お遍路の宿泊場所

「お遍路中は、車中泊や野宿するの?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、21世紀の現在、お遍路さんのための宿泊場所も充実しています。

そこで、【準備編③】「お遍路の宿泊場所」では、「お遍路ならではの体験ができる宿坊」だけでなく、
「お遍路さん向けの旅館やホテル」さらには「野宿の注意点」
も説明します。


まずは、編集部オススメの宿坊について、みていきましょう。

お寺に泊まろう!宿坊

宿坊とは、お坊さんやお参りの方のためのお寺にある宿泊施設のことです。

宿坊はもともとは、修行中のお坊さんが寝泊まりする場所でしたが、今は一般のお参りの方でも宿泊できるようになっています。

ただし、季節によっては宿坊をやっていないお寺もあるので、事前に確認しましょう。

料金は、1泊2食付で7000円前後が目安です。
八十八ヶ所のなかには宿坊が約16ヶ所あります。(あとで紹介します。)


お手洗い、お風呂などは共用のところが多いですが、部屋もきれいに整備されており、快適に過ごすことができます。
6番札所安楽寺など、温泉に入ることができる宿坊もあり、疲れた体を癒してくれます。

なかにはは、精進料理をいただける宿坊もあります。
精進料理は仏教の教えを守り、動物を殺さないという教えから肉、魚、卵などの動物性の食材は使いません。
また、ニラやネギなどのにおいの強い野菜は、修行の妨げになるので使いません。
精進料理は、身体にやさしい日本が世界に誇る健康食です。

さらに宿坊では、朝のお勤めに参加できます。お勤めでは、本堂の中での読経や、護摩の体験、住職の法話など、宿坊ならではの貴重な体験ができます。

私も実際に6番札所安楽寺に宿泊し、温泉で体を癒し、精進料理をいただき、お勤めにも参加しました。
(安楽寺では夜にお勤めがありました。)
一緒に宿泊したお遍路さんとも交流することができました。

以下、宿坊のある16ヶ所の札所を紹介します。

    2番極楽寺
    6番安楽寺
    7番十楽寺
    13番大日寺
    19番立江寺
    22番平等寺
    23番薬王寺
    24番最御崎寺
    26番金剛頂寺
    37番岩本寺
    38番金剛福寺
    40番観自在寺
    44番大寶寺
    58番仙遊寺
    75番善通寺
    81番白峰寺

宿坊では、実際にお寺に泊まり、宿坊でしかできない体験をすることができます。
ぜひお遍路中、一度は宿坊に泊まってみてくださいね。


次に、一般的に利用される方も多いであろう「旅館・ホテル」について紹介します。

お遍路さん向けの旅館・ホテル

お遍路の道中にある旅館やホテルに宿泊することもできます。
お遍路さん向けに営業している旅館もあり、洗濯機を利用できるなど、お遍路さんが快適に宿泊できるように配慮されています。

お遍路向けの旅館には、宿坊と同じくお遍路さんが集まるため、天気や道路の状況など、お遍路に役立つ情報交換もできるでしょう。
料金は、1泊2食つきで6500円程度です。(季節によって変動します。)

また、お遍路さん向けのプランを用意しているビジネスホテルやゲストハウスなども増えています。

野宿(自己責任)

野宿とは、宿坊にも、ホテルにも宿泊せず屋外に泊まることです。 歩き遍路やバイクで遍路をしている人は、野宿でのお遍路を考えている方もいるかもしれません。

しかし、道の駅や公園などで野宿することは、法的にグレーゾーンになっています。
また、安全面においても、実際にお遍路さん狙いの犯罪なども発生していることから、できるだけ野宿は避けたほうがよいでしょう。

野宿をせずに宿泊費を安くしたい場合、お遍路さん向けに無料(もしくは安価)で寝床を開放している善根宿(ぜんこんやど)などに宿泊する方法があります。

この善根宿は、地元の方の善意によって提供されています。しかし、鍵などがなく、誰でも部屋に入れてしまうので、盗難などには気をつけましょう。

また、無料から1000円程度のキャンプ場を利用することで、テントを張って寝泊まりすることもできます。ただし、キャンプ場はお遍路のルートからは少し外れる場合があるので、バイクや車に荷物を積んで移動できる人向けです。

昔のお遍路さんのように野宿することは、現代では法律や安全の面から難しいです。そのため、もし野宿を中心としたお遍路をする場合、野宿が許されている場所で、自己責任のもとで最大限の安全対策を行ってください。

これまでみてきたように、【準備編③】「お遍路の宿泊場所」では、「お遍路ならではの体験ができる宿坊」「お遍路さん向けの旅館やホテル」「野宿の注意点」を紹介してきました。

ぜひ、一度は宿坊にも泊まってみてくださいね。


これまで【準備編】として、「お遍路の4つの移動手段」「必要なもの・入手場所」「宿泊場所」について、紹介してきました。


次は、いよいよ【実践編】です。
「お遍路のお参りの作法」についてみていきましょう。

【実践編】お遍路のお参りの作法

お寺についたら、いよいよお参りしましょう。

ここからは、【実践編】「お遍路のお参りの作法」として、それぞれの札所でのお参りの作法を紹介します。

お遍路のお参りの作法と聞くと、難しく感じるかもしれません。
しかし、この【実践編】を読めば、初心者のお遍路さんでもしっかりとお参りできますよ。

簡単に流れを紹介すると、
1、お参りの準備
2、本堂、大師堂の順にお参りする
3、御朱印をいただく
という3ステップになります。


具体的には、次のような流れです。

    お遍路のお参りの作法
    【お参りの準備】
    ①山門で一礼
    ②手と口を清める
    ③鐘をつく

    【本堂、大師堂の順にお参りする】
    ④本堂で納め札を納める
    ⑤ろうそく・線香を供える
    ⑥お賽銭を入れる
    ⑦お経を読む
    ⑧⑨⑩⑪大師堂で④〜⑦までの作法をする

    【御朱印をいただく】
    ⑫納経所へ行き、御朱印をいただく
    ⑬山門で一礼

それでは、それぞれの詳しいお参りの作法を解説していきます。 一緒にお参りの作法をチェックしていきましょう。

①山門(さんもん)で一礼

まず、お寺に入る前に、山門の前で挨拶の意味を込めて、軽く一礼をしましょう。
山門をくぐるときは、帽子を取ります。ただし、菅笠は被ったままでよいです。

また、山門の敷居は踏まないように気をつけ、左側を通りましょう。

②手と口を清める

手水舎(ちょうずや・てみずしゃ)で手と口を清めます。
手水舎は、仏さまの領域に入るときに、罪や、体についた穢(けが)れを落とす場所です。

手水の作法
1、手水舎の前で軽く一礼します。
2、右手で柄杓(ひしゃく)をとり、左手を清めます。
3、左手に柄杓を持ち替え、右手を清めます。
4、右手に持ち替え、左手に水を受け、口をすすぎます。
5、左手をもう一度清めます。
6、両手で柄杓を持ち、水をすくう部分をあげて持ち手の部分も清めます。
7、手水舎をでる時、軽く一礼します。


水は、はじめに多めにすくい、途中ですくい直さないようにしましょう。
また、柄杓には、口を直接つけないようにしましょう。

引用:正しいお寺のお参り作法とは?【気になる疑問も解決!】

③鐘楼で鐘をつく

お寺によっては鐘をつくことができます。心を込めて一度つきましょう。

「本堂などへお参りする前に鐘をつく」よう気をつけましょう。
お参りの後に鐘をつくことは「戻り鐘(もどりがね)」といい、縁起の悪いとされているのでお参りの前につきましょう。

④本堂で納め札を納める

次に、いよいよ本堂でのお参りです。

本堂では、はじめにお参りの証である納め札を納めましょう。


先ほど準備編②で紹介したように、納め札に名前、住所、日付、願い事、年齢(数え年)を書いて納め札入れに納めます。

⑤ろうそく・線香を供える

次にろうそくを供え、線香を3本供えます。

ろうそくの火ををつけるとき、ほかの人のろうそくの火をもらってつけることは避けましょう。
あとから来る人が立てやすいように、ろうそく立ての奥のほうから空いているところに立てます。

線香を3本立てる理由は、仏教の教えに由来しています。
※真言宗で大切にされている三密(さんみつ/身と口と意のこと)や、仏さま・教え・お坊さんを表す三宝(さんぼう)それぞれに対して供えるため、線香は3本といわれています。

⑥お賽銭を入れる

お賽銭箱にお賽銭を入れます。
このとき、お賽銭は勢いよく投げ入れずに、そっと入れるようにしましょう。
あらかじめ小銭を用意しておきましょう。

⑦お経を読む

次に、お経を読みます。
お経を読むときは、お経を覚えていても経本を持って読むのが正式な作法とされます。
間違えてもかまいませんので、丁寧に読みましょう。

ほかのお参りの人の邪魔にならないよう、本堂の中心から少し横にずれてお経を読むとスマートです。

ここまでが本堂での作法です。本堂でのお参りが終わったら、
次は大師堂(だいしどう)でのお参りです。

大師堂とは、弘法大師がまつられているお堂のことです。

大師堂でも本堂と同じような作法でお参りします。
注意点は、読経の際、大師堂では札所の本尊のご真言をお唱えする必要はありません。

⑧大師堂で納め札を納める
⑨ろうそく、線香をお供え
⑩お賽銭を入れる
⑪読経をする

⑫納経所へ行き、御朱印をいただく

お参りが終われば、お経を唱えた証として、御朱印をいただきましょう。

一般的に、御朱印の受付の時間は朝の7時から夕方の17時までなので、時間に気をつけましょう。

16時30分ごろなど、納経所が閉まるギリギリの時間に札所に到着した場合は、その旨を伝え、先に御朱印をお願いしてから本堂のお参りに行きましょう。

⑬山門で一礼

山門をでたあとに振り返り、一礼してから次のお寺に向かいます。

もう一度、流れをおさらいすると、以下のようになります。

    お遍路のお参りの作法
    【お参りの準備】
    ①山門で一礼
    ②手と口を清める
    ③鐘をつく

    【本堂、大師堂の順にお参りする】
    ④本堂で納め札を納める
    ⑤ろうそく・線香を供える
    ⑥お賽銭を入れる
    ⑦お経を読む
    ⑧⑨⑩⑪大師堂で④〜⑦までの作法をする

    【御朱印をいただく】
    ⑫納経所へ行き、御朱印をいただく
    ⑬山門で一礼

お参りの作法や、お経を読むのは難しく感じるかもしれません。
しかし、私も実際に毎回、札所の本堂と大師堂でお経を読むうちに、お経がすらすら読めるようになりました。

最初は読むので精一杯かもしれませんが、丁寧に心を込めてお参りしてみてくださいね。


それでは最後に、「お遍路の気になる疑問」にお答えします。

お遍路の気になる疑問を解決

最後に、お遍路の気になる疑問を解決します。

「体力不足が心配なのですが、私でもお遍路を回れますか?」
「私は無宗教ですが、お遍路を回れますか?」
といった、お遍路をはじめる前の疑問から、
「結願後、お遍路道具をどうすべきか?」さらには、「お遍路のスタート地点・徳島県への行き方」まで、
ここまで紹介できなかった、お遍路に関する疑問を解説していきます。

それでは、まいりましょう。

体力不足が心配なのですが、私でもお遍路を回れますか?

移動手段にもよりますが、あなたでもお遍路に回ることができます。

歩き遍路では約1400キロの距離を歩くことになるので、健康であることはもちろん、歩ききることのできる体力が求められます。

ですが、バスツアーや車など、乗り物を使ったお遍路であれば、体力に自信がない方でもお遍路を回ることができます。

ご自身の体力にあわせて、無理のない範囲でお参りしましょう。

私は無宗教ですが、お遍路を回れますか?

どんな信仰を持っていても、あるいは信仰を持っていなくてもお遍路を回ることができます。

お遍路をはじめたきっかけは、弘法大師に惹かれてお遍路をはじめた人もいれば、自分を見つめなおしたいなどの理由からお遍路をはじめた人もいます。

お遍路をはじめるきっかけは人それぞれですが、
どなたでもお遍路を回ることができます。

この記事をここまで読み進めているあなたこそ、ぜひ、人生でいつかお遍路に行ってみてくださいね。

持ち歩く荷物は多いと大変ですか?

持ち歩く荷物は多いと疲労が溜まるので、できる限り少なくしましょう。

特に、歩きの場合はリュックとさんや袋、合わせて5キロ程度におさめたいです。
私も最初は荷物をたくさん持っていってしまい1日目に後悔したため、2日目の朝に不要な荷物を家に送り、荷物を減らしました。

また車でも、駐車場から本堂までの距離が遠い札所もあるので、手荷物は少なくしましょう。

お手洗いはありますか?

お手洗いはあります。

しかし、お手洗いは行けるときに行くのが鉄則です。

それぞれの札所に加えて、道の駅、コンビニなどのお手洗いを使うことができます。
しかし山の中など、お手洗いがない場所もあるので、行けるときに行きましょう。

お経は読むべきですか?

ぜひ札所にある本堂、大師堂ではお経を読んでください。

御朱印はお経を読んだ証としていただくものなので、札所ではお経を読みましょう。

ですが、お経を読んだことのない方は「間違えたらどうしよう・・・」「読み方がわからない!」などと不安に思うかもしれません。
誰しもはじめは難しく感じるでしょう。

間違えることを気にするよりも、心を込めて読むことが大切です。

結願後、お遍路道具はどうする?

お遍路道具は、結願後も大切に保管しましょう。

自分が亡くなったとき、納経帳を棺桶の中に入れて極楽浄土へのパスポートとすることができます。
また、棺桶の中での死装束として白衣を着ることもできます。

納経帳、白衣などは定期的に陰干しをして、カビや虫食いなどがないようにしましょう。

また、菅笠と金剛杖は希望すれば、88番札所大窪寺に奉納することもできます。
このとき奉納された金剛杖は、毎年春と夏に屋外で行われる大掛かりな護摩、柴灯護摩供(さいとうごまく)で供養されます。

1番札所からではなく、途中から回りはじめてもいいんですか?

途中から回りはじめても大丈夫です。

札所には1番から88番まで番号が振られているので、1番から順番に回るべきだと思われがちですが、実はどの札所からでも大丈夫です。

例えば、高知県にお住いの方で、高知県の札所からはじめる方もいます。

ですがやはり、出発するときの準備もしやすく、キリのいい1番から回る方が多いです。

お遍路のスタート地点・徳島県にはどう行く?

1番札所霊山寺のある徳島県は、多くの人がお遍路のスタート地点として訪れることになります。 ここでは、それぞれの地方から徳島県への行き方を紹介します。 それぞれの予算や日程にあわせた行き方を選びましょう。

東京から徳島へ

    飛行機
    羽田空港→徳島空港 
    3万3390円 1時間15分

    鉄道
    東京駅(新幹線)→岡山駅(快速マリンライナー)→高松駅(特急うずしお)→徳島駅
    1万9310円 5時間45分

    バス(夜行)
    東京駅八重洲南口→徳島駅
    9300円~1万1500円 10時間

関西から徳島へ

    鉄道
    新大阪駅(新幹線)→岡山駅(快速マリンライナー)→高松駅(特急うずしお)→徳島駅
    9940円 4時間

    バス(昼行)
    なんば高速バスターミナル→大阪→徳島駅
    3700円→3時間

東海から徳島へ

    鉄道
    名古屋駅(新幹線)→岡山駅(快速マリンライナー)→高松駅(特急うずしお)→徳島駅
    1万4350円 4時間

    バス(夜行)
    名古屋駅バスターミナル→徳島駅
    6380円~7500円 6時間

中国から徳島へ

    鉄道
    岡山駅(快速マリンライナー)→高松駅(特急うずしお)→徳島駅
    4550円 2時間

    バス
    広島バスターミナル→徳島駅
    6150円 4時間25分

九州から徳島へ

    飛行機
    福岡空港→徳島空港
    2万7700円 1時間

    鉄道
    博多駅(新幹線)→岡山駅(快速マリンライナー)→高松駅(特急うずしお)→徳島駅
    1万5770円 4時間

それぞれの地方から徳島県への行き方は大きく分けると、
・短い時間で移動できるが、運賃が高い「飛行機」
・本数が多く、平均的な運賃の「鉄道」
・時間がかかるが、運賃が安い「高速バス」
の3種類あることがわかりました。

最後に、お遍路の気になる疑問を解決しました。

まとめ

いかがでしたか?
ここまで、「お遍路の由来」「お遍路の行き方や準備する持ち物」「宿泊場所」「お参りの作法」など、あなたがお遍路に行くための必要な情報をまとめました。

ここまで読んでくださった方には、ぜひ実際にお遍路に行って、体験してほしいです。
もっと言うと、2泊3日、1番から11番だけでもいいので、
死ぬまでに一度は歩き遍路に挑戦してみてください。

お遍路では、一人一人に思い出が生まれます。
ぜひ、その思い出をホトカミにも投稿してご縁を紡いでくださいね。

あなたが無事にお遍路を結願できますように。



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