夫婦木神社のお参りの記録(1回目)
東京都新大久保駅

宗教法人・明治神宮が所有する明治神宮野球場、通称「神宮球場」。学生野球やプロ野球の舞台として知られ、東京の野球文化を支える象徴的な存在です。本日はその球場で試合を観戦しましたが、残念ながら応援していたチームは大敗。試合後は気分も沈みがちで、球場を後にしてトボトボと歩みを進めました。

たどり着いたのは、新宿区大久保に鎮座する夫婦木神社。最寄りの新大久保駅周辺は、韓国料理店や韓流グッズを扱う店舗が立ち並ぶ賑やかなエリアですが、そこから一歩住宅街へ入ると雰囲気はがらりと変わり、鉄道が通過する際の山手線などの音を除けば、静けさに包まれています。新大久保からは徒歩8分。御祭神は、伊邪那岐大神、伊邪那美大神。包まれるような静寂に導かれるように境内へと足を踏み入れました。

拝殿は建物の二階に設けられています。段数はそれほど多くありませんが、やや急に感じられるため、足を取られて転倒しないよう慎重に登りました。登り切った先にある拝殿は、一般的な神社の社殿とは趣が異なり、住宅を改造したような造りをしています。規模は小さいながらも、地域の人々に長く信仰されてきた温もりを感じさせる佇まいでした。

境内には三基の小さな祠が祀られており、それぞれに異なる神仏への信仰が込められているように見受けられます。社殿の周囲は住宅に囲まれているため、都会の真ん中にあるとは思えないような落ち着きと、隠れた聖域のような雰囲気を漂わせていました。

振り返れば、かつてこのあたりに職場があり、日々行き来していたはずの場所です。しかし当時は神社に立ち寄ることもなく、その存在に気づくことすらありませんでした。今回こうして改めて訪れてみると、見過ごしてきた土地の歴史や信仰の厚みを感じさせられ、奥の深さを実感します。単なる町中の小さな社に見えても、そこには地域の人々の心の拠り所となってきた積み重ねがあるのだとしみじみ思いました。