穴八幡宮のお参りの記録(6回目)
東京都早稲田（メトロ）駅

新宿区西早稲田に鎮座する穴八幡宮は、都内でもよく知られる古社のひとつで、特に冬至の日に授与される「一陽来復」の御守で名高い神社です。気がつけば、今年も残すところあと三ヶ月ほどで冬至を迎える時節となりました。暦の上では太陽の力がもっとも弱まる日とされますが、その日に新しい光の兆しを授かる「一陽来復」の御守は、多くの参拝者にとって希望と再生の象徴となっております。

昨年の冬至には、幸運にも当日に参拝することが叶い、寒空の下、長い行列に身を置きながらも無事に御守を拝受いたしました。冷え込みの厳しい中でしたが、参拝者が一心に願いを込める姿は心強くもあり、また、いただいた御守を手にしたときの安堵と喜びはひとしおでした。今年もその日を迎えるにあたり、同じように冬至当日に足を運べるかどうかはまだ定かではありませんが、もし機会が与えられるならば、昨年と同じように神前に立ち、心を新たにしたいと願っております。

もっとも、冬至当日の参拝はやはり特別な賑わいがあり、境内に到着してから御守を手にするまで、ほとんどの時間を列に並んで過ごすこととなります。その喧噪と人波もまた年の瀬らしい風物詩ではありますが、落ち着いた参拝を望むならば、必ずしも好都合とはいえません。それに比べれば、本日立ち寄った参拝では、まるで境内を独り占めしているかのような静けさが広がっており、ゆったりとした時間を過ごすことができました。

冬至の参拝とは対照的に、この静寂はかえって心を澄ませてくれるものでした。誰にも邪魔されることなく、ゆっくりと手を合わせることができたのは、何よりの恵みであったと感じています。穴八幡宮の杜に満ちる清冽な空気に包まれながら、心穏やかに過ごせたひとときは、冬至の大行列にも勝る貴重な参拝体験であったといえるでしょう。