三光稲荷神社のお参りの記録(1回目)
東京都人形町駅

東京都中央区堀留町にひっそりと鎮座する三光稲荷神社。人形町通りから少し奥へと入ったところにあり、周囲をオフィスビルや住宅に囲まれながらも、そこだけは静謐な空気が流れる、まるで都会の喧騒から切り離されたような小さな祈りの空間です。

神社そのものは非常にこぢんまりとしており、見過ごしてしまいそうなほど控えめな佇まいですが、その境内には植栽が所狭しと並べられていて、緑の勢いが感じられます。限られた空間の中にも自然の息吹が溢れ、四季折々の移ろいが感じられるように丁寧に手入れされており、訪れる人の目と心を和ませてくれます。特に春先には若葉が芽吹き、小さな境内にも命のリズムが宿っているような感覚を覚えました。

拝殿を覗いてみると、季節の節目に合わせて飾られているのでしょうか、美しく整えられた雛人形が目に入りました。煌びやかな装いの人形たちは、神社の素朴な空間に優しい彩りを添えており、訪れた人々へのささやかな歓迎のようにも感じられます。地域の方々の温かな心配りと、神社を大切に守り続けている気配が伝わってくるようでした。

高層ビルが立ち並ぶ都心にあって、このような静かで手の行き届いた小さな神社が、今も変わらずそこに在ることに、どこか安心感を覚えました。ほんのわずかな時間でしたが、慌ただしい日常の中で立ち止まり、心を整えることができる貴重なひとときとなりました。