出世弁財天女宮のお参りの記録(1回目)
東京都東村山駅

出世弁財天女宮は、東京都東村山市野口町に鎮座しています。最寄りの西武新宿線・東村山駅から徒歩5分という抜群の立地で、駅からほど近いにもかかわらず、そこだけ時の流れがゆるやかに感じられる不思議な空間です。周囲はすでに住宅街として整備が進み、街の生活感が濃い一帯ですが、その中にあってまるで潤いを添えるかのように存在するのが、弁天池公園。そして、その一角、池の中央に静かに佇むのが、出世弁財天女宮です。

七福神の一柱・弁財天をお祀りする神社らしく、水と深い結びつきを感じさせる佇まいです。社殿は池の中島に建ち、その姿は水面に映り込み、まるで水上に浮かぶよう。参道の経路もまた特徴的で、参拝者は二つの太鼓橋を渡って社殿へと向かいます。その橋は板張りで、最初は踏み出すたびに少し軋む感触に「抜けてしまわないか」と不安を覚えるほど。しかし、実際にはしっかりとした造りで、足元を確かめながら渡る時間すらも、参拝前の心を静める儀式のように感じられました。

都会の喧騒を離れずとも、ここには確かに穏やかな自然と信仰が共存しています。このように住宅街の一角にありながら、水の都を思わせるような風景を持つ弁天池公園は、地元の人々にとって単なる憩いの場ではなく、心のよりどころであり、日々の暮らしの中に静かに祈りが息づく場所となっているのでしょう。