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つしまじんじゃ

津島神社のお参りの記録(1回目)
東京都西武柳沢駅

投稿日:2025年08月18日(月) 02時30分44秒
参拝:2025年8月吉日
津島神社は、東京都西東京市田無町に鎮座する。近隣にある田無神社の兼務社として位置づけられており、地域的にも信仰的にも密接なつながりを持っている。田無神社の境内にも同名の津島神社が祀られているため、混同を避けるために、こちらの神社は「柳沢津島神社」と冠して記される場合もある。もっとも、所在地は西東京市田無町であり、「柳沢」の名はあくまで便宜的なものである。ちなみに、西東京市柳沢は当神社からやや東寄りに位置し、西武新宿線の西武柳沢駅南口一帯を指す地域である。

本務社である田無神社は「五龍神信仰」で知られ、都内でも有数の参拝客を集める神社として広く知られている。一年を通して多くの人で賑わい、祭礼や御朱印を求める人々が絶えない。それに対して柳沢津島神社は、まったく異なる趣を見せる。訪れる人の数も少なく、境内全体が静かに時を重ねてきたことを伝えている。

特に印象的なのは社殿の佇まいである。木造建築を覆うようにトタン板が貼られており、その様子は神社建築というよりも昭和の住宅を思わせる。神明造や流造といった伝統的な様式とはかけ離れたその姿は、神社巡りを重ねてきた参拝者であっても少なからず驚かされるだろう。地域の人々の手で必要に応じて補修され、生活の中で守られてきた結果、このような形をとっているのかもしれない。

また、鳥居の設置場所も独特である。通常は参道の入り口に構え、結界を示す役割を果たすものだが、ここではまるで隣接する建物の玄関口に取り付けられているかのような構造をしている。意図的にそうしたのか、土地柄の制約からそうならざるを得なかったのかは定かではないが、いずれにしてもこの神社を特徴づける要素のひとつである。

境内には石碑が一基立ち、「津島神社参拝記念」と刻まれている。愛知県津島市の津島神社は、全国の津島神社の総本社であり、疫病除けの神として古来より篤く信仰されてきた。その名を冠した石碑がここに建てられたのは、遠方の総本社を参拝したことを記念し、その信仰を地元に伝えようとした人々の思いの表れであろう。小規模な境内ながら、そこに込められた信仰の連続性を感じ取ることができる。

さらに、訪れた際に目を引いたのは手水舎の光景であった。水鉢の縁に一匹の猫が身を寄せ、喉を潤していたのである。毛並みはやや荒れており、野良猫であることが窺えた。人慣れしている様子で、こちらを警戒することもなく水を飲み続ける姿は、境内の静けさに不思議と調和していた。参拝に訪れる人が少ない分、こうした小さな命にとっては、津島神社の境内が憩いの場となっているのかもしれない。

柳沢津島神社は、田無神社の華やかさとは対照的に、素朴で日常の匂いを色濃く残した神社である。参拝すれば、単に祭神へ祈る場というだけでなく、都市部の中でひっそりと地域に根差してきた信仰の姿を感じ取ることができるだろう。その素朴さは、むしろ現代の神社巡りにおいて貴重な体験を与えてくれる。
津島神社(東京都)
津島神社(東京都)
津島神社(東京都)

すてき

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