稲荷神社のお参りの記録(1回目)
埼玉県保谷駅

稲荷神社は、埼玉県新座市片山に鎮座しています。最寄り駅は西武池袋線の保谷駅で、そこから徒歩にしておよそ35分。駅からの道のりは決して近いとは言えませんが、歩を進めるうちに東京都練馬区と埼玉県新座市の境界を越える瞬間があり、そのあたりで空気の色がふっと変わるような感覚を覚えました。住宅地の中を抜けてゆく静かな道の先に、木々に囲まれた境内が見えてきます。

境内の入口に立つと、まず目に飛び込んでくるのは、まるで参拝者を守るかのように立ちはだかる巨木です。その枝葉は堂々としており、根元はしっかりと大地に根ざし、長い年月をここで過ごしてきた風格が漂っています。この木があるおかげで、社殿が見える前からすでに「神域」に入ったという感覚を抱かせてくれます。まるで自然そのものが鳥居のように神社を包み込んでいるかのようで、構図としても非常に印象的です。

社殿はこぢんまりとしながらも清潔で、日々手入れが行き届いていることが感じられ、地元の方々の信仰心と愛着が伝わってきます。

周囲は一面の住宅街ですが、近隣の方が散歩の途中に立ち寄って手を合わせる姿が目に浮かぶようでした。新座の片隅に、静かに、けれど確かな存在感をもって佇む稲荷神社。地域の暮らしの中で、長年にわたり見守り続けてきたその姿に、あたたかい安心感を覚える参拝でした。