善養寺のお参りの記録(1回目)
東京都西ケ原四丁目駅

薬王山延寿院 善養寺（ぜんようじ）は、東京都豊島区にある天台宗の寺院で、828年頃に慈覚大師円仁によって開山されたと伝えられています。江戸時代には上野山内に位置し、後に下谷坂本町へ移転しましたが、明治45年（1912年）に現在地に移転を余儀なくされました。

●歴史的背景

善養寺は、東叡山寛永寺の末寺として知られ、江戸時代には「江戸三閻魔」としても名を馳せていました。閻魔大王を安置しており、特に縁日には多くの人々で賑わったといいます。現在本堂には高さ約3メートルの木造閻魔王坐像が鎮座しております。

●閻魔大王の由来

善養寺に安置されている閻魔大王は、運慶作とされることもありますが、歴史的な類焼の影響で現在の像が運慶作ではない可能性があります。また、閻魔をどのようにして安置したのかについては詳細な記録が残っておらず、その経緯は謎に包まれています。

●文化財と墓所

寺院の境内には、陶工の尾形乾山の墓があり、これは東京都指定旧跡として重要視されています。乾山は、江戸時代に活躍した著名な陶工であり、その業績は現代においても高く評価されています。また、境内には延宝8年（1788年）の宝篋印塔や寛永6年（1629年）の石燈籠など、多くの文化財が点在しています。

●別院と観音信仰

善養寺は、千葉県大原に別院を有しており、ここには聖観音が安置されています。この観音は「日在観音」として知られ、太平洋を見渡すことができる絶景の地に位置しています。別院の建立は第25世の谷誠順師によるものです。