上高田氷川神社のお参りの記録(2回目)
東京都新井薬師前駅

中野区上高田に鎮座する上高田氷川神社。今回の参拝は、実に十年以上の時を経ての再訪となりました。長い歳月の間に、境内や周辺の景色がどのように変化したのかを確かめたいという思いもあり、足を運びました。これまでの参拝は、いずれも日中の明るい時間帯が多く、境内を包む柔らかな日差しの中で手を合わせた記憶が残っています。しかし今回は、陽がすっかり沈み、空気が一段と冷たく感じられる夜の参拝。昼間とは異なる静寂と神聖さが漂い、街灯の光がわずかに社殿を照らす光景が印象的でした。

前回の参拝からあまりに時間が経っていたため、社殿の向きや境内の細かな配置については記憶が曖昧でした。けれども、いざ鳥居をくぐり、参道を進むうちに、過去の記憶が少しずつ呼び覚まされていくような感覚に包まれました。特に印象的だったのは、かつて境内から東京スカイツリーが見えたこと。遥か彼方にその細長い構造物がが浮かび上がっていた光景は、当時の記憶として鮮明に残っていました。十年の時を経た今、周囲に新しい建物が増え、果たして同じように見えるのだろうかという好奇心を抱きながら境内を見渡すと、遠くに赤いライトがぼんやりと灯っているのが目に入りました。それがまさにスカイツリーの光であると分かった瞬間、懐かしさと安堵のような感情が同時に込み上げてきました。

年月を経ても変わらず、神社の静謐な佇まいの中で、遠くのスカイツリーが確かに存在を知らせてくれている。そんな小さな再会のようなひとときが、この夜の参拝をいっそう特別なものにしてくれました。