金力自在大善神のお参りの記録(1回目)
東京都武蔵関駅

金力自在大善神は、東京都練馬区石神井台の住宅街に静かに鎮座しています。西武新宿線武蔵関駅より徒歩15分。最寄りの幹線道路である新青梅街道から脇道に入り、わずか三分ほど歩いたところにその姿を見つけることができます。大通りから外れた一角でありながら、近隣の家々に溶け込みつつも、どこか非日常の空気を漂わせているのが印象的です。由緒などは不明ですが、お金の力で物事は自在という含意ではないとは思います。

境内の規模は決して大きくはありませんが、構えには端然とした品格が感じられます。まず目に入るのは二基の鳥居で、朱色の木肌が参拝者を神域へと導きます。左手には、社号が刻印された石標。その先には、礎石からおよそ二メートルほどの高さに据えられた祠が鎮座しており、小ながらも堂々とした佇まいです。社殿の右手には、祠の三倍にも達しようかという見事な樹木がそびえ立っています。まるで守護の神木のごとく、境内全体を包み込むように枝葉を広げ、その存在がこの社の精神的な支柱であるかのようにも感じられます。

境内の周囲は玉垣で囲われており、簡素な祠でありながら、格式を意識した造りが随所に見られます。玉垣の内と外とで世界が明確に分かれており、日常のざわめきから一歩隔たった、静謐な空間が保たれています。このあたりの意匠からも、地域の方々が大切に守り伝えてきた信仰の深さがうかがえます。

すぐ隣には児童公園があり、訪れた際には園児の集団が休憩をかねて遊んでいました。子どもたちの笑い声と、神域の静けさとが交錯する光景は、現代の都市における信仰の在り方を象徴しているようでもあります。人々の生活と寄り添いながら、金力自在大善神は今日も静かにこの地を見守っておられるように思われました。