雷香取神社のお参りの記録(1回目)
東京都葛西駅

東京都江戸川区東葛西に鎮座する雷香取神社。東京メトロ東西線葛西駅からは徒歩でおよそ18分ほどの距離にあり、住宅街の中にひっそりと佇んでいます。境内には雷香取神社落成記念碑があり、明和5年(1769年)に創建。御祭神に関する記述はなし。平成初期に行われた区画整理事業の際に、別の場所からこちらへと遷座してきたとのことです。そのため、境内に建つ八幡造の社殿は古社に見られるような風雪を経た趣こそ少ないものの、清新で端正な姿がかえって新鮮に映ります。

社殿のすぐ隣には寺院の敷地があり、両者の境には簡素な扉が設けられています。施錠はされておらず自由に往来できる造りですが、寺域へ立ち入るのは控えたため、両者がどのような関係性を持つのかまでは窺い知ることができません。神社と寺院が隣り合って存在するという光景は、日本の宗教文化において珍しいものではありませんが、ここでは互いに静かに寄り添い、地域を見守っているようにも感じられます。

夕刻、秋の陽が傾くころに訪れると、社殿は橙色の光を受けて柔らかな輝きを放っていました。新しいながらも落ち着いた神社建築の質感と、夕日に照らされた社殿の輪郭が調和し、どこか懐かしさを伴った趣を漂わせています。長い歴史を刻んだ古社とはまた異なる魅力を持ち、この土地に根を下ろそうとする神社の姿を強く印象づけていました。