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こじゅろういなりじんじゃ

古壽老稲荷神社のお参りの記録(1回目)
東京都白金高輪駅

投稿日:2025年09月26日(金) 20時26分50秒
参拝:2018年10月吉日
東京都港区高輪に鎮座する古寿老稲荷神社。最寄りは東京メトロ南北線・都営三田線の白金高輪駅で、駅から国道1号線を少し外れ、天神坂を登っていくとほどなく境内に辿り着きます。都会の喧騒から一歩離れた小さな高台にあり、落ち着いた住宅街に囲まれながら、静かに祀られている神社です。

御祭神は伊邪奈伎大神、伊邪奈美大神、そして宇賀霊大神。宇賀霊大神はいわゆる稲荷信仰に結びつく神であり、豊穣や生活の守護を司る存在です。一方で、伊邪奈伎大神・伊邪奈美大神をともに祀っている点は特徴的で、天地開闢の神々と稲荷の神が同座していることから、この神社ならではの信仰形態があったのではないかと想像されます。残念ながら境内に創建の由緒を記すものは見当たらず、具体的な歴史をたどることはできません。ただし、境内左手の壁面には氏子衆と思しき氏名が刻まれており、地域の人々に支えられ、今も信仰が息づいていることが伝わってきます。

興味深いのは、徒歩10分ほど離れた白金台に古地老稲荷神社が鎮座していることです。両社は「古寿老」と「古地老」というよく似た社号を持っており、両者の間に何らかの関係があるのではないかと推測されます。古地老稲荷神社の由緒によれば、文政13年(1830年)に日吉坂に創建され、火伏の稲荷信仰が起こったことがその由来とされています。そのため、古寿老稲荷神社もまた火伏信仰と深い縁を持つ可能性が考えられます。

こうした推測を裏づけるかのように、境内には「火災から命を守ろう 高輪消防署」と記された防火啓発の看板が設置されています。確かに近くに高輪消防署があるため地域的な事情によるものとも考えられますが、天神坂を上がった先にある火の見櫓――現在は高輪消防署二本榎出張所として知られる旧高輪消防署の建物――も徒歩圏内にあり、土地の歴史的背景と無縁ではないように感じられます。江戸の町において火災は最大の災厄のひとつであり、稲荷神社が火防の神として広く信仰されてきたことを思えば、現代の防火意識と伝統的な火伏信仰が偶然に重なって見えるのは非常に興味深いところです。

都会の一角にひっそりと佇む小さな社でありながら、古寿老稲荷神社は地域の人々の信仰を今に伝える存在であり、同時に現代の暮らしともどこかで繋がっていることを感じさせます。
古壽老稲荷神社(東京都)

すてき

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