白髭神社

東京都 船堀駅

『おお、いいじゃないか！』

「そうですね。とても、落ち着いた場所ですよ」

『では、お邪魔します』「失礼します」

「では、手を洗いましょう」

「あ、ジャギーさん。手水舎が休止中ですね」

『まあ、こんな時期だから、しょうがないね..俺はこっちで手と口を清めるよ』

......
......

「へえ..ジャギーさん。神社兼憩いの場という感じですね」

『そうだなぁ..
でも、鳥居君。この前は鹿嶋市で今回は東京って、この時期、あんまり県境を跨がない方がいいんじゃないか？』

「いや、こっちはジャギーさんに言われたから行ったんですよ！」

『...君...能書きはいいんだよ..
昔の偉人の格言でこんな言葉があるの知ってるかい？』

「え...どんな言葉ですか？」

『【能書きはいい...飲めばわかる】』

「....それ、中尾彬さんのコマーシャルですから..
訳の解らない事言ってないで、ちゃんとお参りしましょう」

『ああ、解ってるよ..
今回は御礼参りも兼ねてるからね』

「え？何かいい事、あったんですか？ジャギーさん」

『フフフ..聞いてくれ...
7月末に発売される54字小説集に俺の作品が掲載される事になったんだ』

「えっ？？
よくも、あんなのが選ばれましたね！」

『フフフッ..
児童書だからね。俺のピュアな作品が選ばれたんだろうな』

「ピュアですか...」

『ああ、いつも俺の心には小学生がいるからね..
この前もレジに並んでたら、オジサンが割り込んで来たから、【先生に言いつけてやるからな】って言ってやったんだよ』

「...まったく意味不明ですね..
お！ジャギーさん、個性的な狛犬さんですよ」

『おお！いいお顔だなぁ』

「ホントですね！」

「ジャギーさん。こちら、前に一緒にお参りした、平井天祖神社に雰囲気が似てませんか？」

『ああ、言われみると、そうだなぁ..
落ち着いた感じが似てるな』

『じゃあ、心を込めてご挨拶しよう』

「はい」

『この度は54文字小説の件。有り難うございました』

「あの、ジャギーさん。初めての神社にお礼しても神様は解るんですかね？」

『え？...
まあ、いいじゃないか。この前、地元の神社にもお礼とご挨拶してきたよ』

「あ、そうですか..
では、本日はお参りさせていただきます。
有り難うございます」

「じゃあ、ジャギーさんも一歩前進ですね」

『まあ、小さな一歩だけどね..
でも、ジンジャーさんなんか、54字小説を御歳暮として配るって、20冊も予約してくれたらしいからね』

「そんな訳ないでしょうが..
なんで、毎回、ジンジャーさんが出てくるんですか」

『いや、出してくれって言われてる..気がするからさ』

「..迷惑してると思いますよ..多分..
お、ジャギーさん、根っこが凄いですよ！」

『ホントだな！』

「ジャギーさん、こちらも歴史がありそうですよ」

『ほう..』

「浮州浅間神社ですか..」

『へえ..なるほど..伝説があるんだな』

『本日は有り難うございます』「有り難うございます！」

「いや、ジャギーさん。素敵な神社でしたね」

『神社は奥が深いね...
じゃあ、これからは最後に決め台詞で締める事にしよう』

「え？..なんて言うんですか？」

『そうだな...神社アイドルだから..
【僕にお賽銭入れてくれよな】かなぁ』

「........イヤですよ..」

【おしまい】

帰り道に撮影した、ちょっとドラマチックな夕暮れの街です！
(^-^)/