賀茂別雷神社のお参りの記録(1回目)
栃木県多田駅

　東武佐野線の多田駅から5分ほどの山間に鎮座している。終点の葛生駅から一つ手前の駅で、多田の地名が示すように田畑が広く繋がっていた。
　当社に行くには、階段が120段ほどあり、途中に、昔はヤギ牧場があり、バラ園は今も残っていた。階段の数でもお分かりのように、本殿まで行く道のりは遠く険しい、奥の院ともなれば、半日を要するような、広範囲な敷地を有する山のパラダイス空間である。
　駐車場は、正面、臨時、本堂横と三箇所ある。京都の上賀茂神社を本社とする由緒ある格式高い社殿である。特に御朱印が毎月替わり、通年集めると、最後に豪華なゴールド御朱印が授けられるのは参拝者の楽しみになっている。土日曜日はキッチンカーがお出まし、コーヒーや軽食で、厳かな雰囲気の中でいただけるのは、嬉しい限りだ。10社を越える末社や摂社が見応えがあった。
　神主さんや巫女さんは、心遣いが丁寧で、笑顔が天女の舞のようだ。殊に神主さんは、気さくな方で、東京からわざわざ佐野に出向いたほど。当社では、今風に、美術工芸のサークル活動が盛んで、講演会も行われるなど、神社の役割を今風に、解釈し集客を図ることができる先駆的な社だ。
　早朝には、靄で山全体が霞む幽玄な御伽草子の異世界に変貌し、訪れる者全てに、俗世間を忘却させ、儚き人間の一生を憐れみ、我を無くすことが、苦を無くすことだと悟らせた。あっという間の参拝でした。