四月から月参りの御朱印として十二天シリーズを始めさせて頂きます✨
四月は「帝釈天」!
「帝釈天」
もともとは古代インド神話の英雄神で戦の神様です。
仏教に取り入れられてからは慈悲深い神として崇められるようになり、ヒンディー教の梵天とともに二大護法神となりました。大日如来を中心とする密教では十二天の1人であり、千手観音の眷属である二十八部衆の1人でもあります。十二天とは東・南・西・北の四方と上・下、さらに東南西北の各間の四維に日月を加えて十二方位を守護する神様のことで帝釈天は東の方位を守護します。
帝釈天の戦いの神様としてのお話は沢山あり、中でも蛇の魔神『ヴリトラ』との話は有名で、ヴリトラは水を堰き止め、干魃などを引き起こす力を持つとされた悪龍ですが、帝釈天はヴァジュラという武器を作り、ヴリトラを打ち倒しその水を解放するのです。
また阿修羅神との話も数多ですが、その戦いはほぼ帝釈天の勝利でした。しかし珍しく負け戦で、逃げていく帝釈天の軍勢の退路に何万匹ものアリが歩いていました。(アリではなく霊鳥が巣を守っていたという説もあります)
それを見て、その命を助けるために、帝釈天は軍勢を再び元の逃げてきた方に引き返させているのです。帝釈天は戦の神であってあるからこそ力のあるものには立ち向かい、弱いものには慈悲の心深く仏教に篤く帰依するがゆえに。
ちなみに映画、「天空の城ラピュタ」でラピュタが地上に放った最終兵器のことを「インドラの矢(雷)と表現しています。正義のためには、少しぐらいの犠牲はやむを得ない...そうではなくすべからく生ける命が救われる方向が進むのが正も悪もない仏の教えと諭してくれているようです。
ご希望の方には私が寄稿させていただいております、浅草浅草寺の機関誌をお配りしております✨