人丸神社（小中町）のお参りの記録(1回目)
栃木県吉水駅

これは皇居のお堀かと見誤りかねない荘厳感がありました。そこには、赤や黄金色の鯉が､イルカばりに跳び跳ね、乙姫の如くその身体をイナバウアー化して､時を止めるかと思わんばかりに、身をくねらせ進んで、あっという間にいなくなりました。どうやら､遠くに見える赤い社の山地から湧き出た水が小川となり、この低地まで、流れ出ている聖水ならぬ浄水で､その透明度は底無しです。当社一帯が公園となっており、家族葬連れが，参拝し､鯉を眺望し、設置されている遊具で戯れていました。参道脇には、社務所兼神主宅があり、御朱印が置き配されていました。池に浮かんだような拝殿と本殿が、水面と調和され、離島に居る感が否めませんでした。そこにあった透明感のある水を口にしたとき、今までにない、詫び錆び感ともいえない、心を甘くまさぐるような強烈な至福感を感じてしまったのです。今まで味あった最上位のワインより、化粧品の香りより、素朴な美しさを感じたのです。私たちは、己ではない他者に、つかまされたキャッチコピー様の感覚の奴隷になっていたと。