大室山龍渓院の日常(38回目)|静岡県伊豆高原駅
御朱印・神社お寺の検索サイト楽しみ方
投稿日:2023年07月07日(金)
来寺限定御朱印です[郵送不可]
龍渓院にて頒布中!
①季節により大室山の色が変わります
②直書きと書き置きがございます
[大室山浅間神社信仰の歴史について]
江戸時代は神仏習合(しんぶつしゅうごう)の時代でした。棟札写真資料から調べると江戸時代の龍渓院住職が大室山浅間神社の棟札を書いています。棟札には、龍渓院(寺院)と修験者(修験道)と禰宜(神社の神職)の僧名などが記載されています。江戸期は、寺が神社も支配下においていた時代です。この三寺社が融合していたようです。現在とは全く違った信仰体系でした。
以下に棟札の内容を記載します。
棟札(むなふだ)とは?
神社仏閣に関するものの修理などの記録
神仏習合(しんぶつしゅうごう)とは?
日本土着の神祇信仰と仏教信仰が融合し一つの信仰体系として再構成された宗教現象。神仏混淆(しんぶつこんこう)ともいう。
【大室山浅間神社棟札について】
大室山浅間神社の最古の棟札は享保10年(1725年)。江戸期の棟札は4体あります。棟札は同じ内容が重複していますのでその部分は除き、意訳でここに記します。
池1-1-1 享保10年(1725)棟札
[棟札 表面]
奉修大室淺間大菩薩
[棟札 裏面]
大室山は、村民の口伝の説によると、古くに霊峰が湧出したという。峰の頂には、富士浅間の神を勧請するが、その始まりは、いつなのかは分からない。承応3年(1654)、松平兵庫守(この人物については不明。松平信綱か)が参礼し、この山を再造営した。その後、月日が移り、壊れてきたため、禰宜の佐藤氏(この当時の禰宜は池村の古参の方が役をしていたか)が遠近の村や里に呼びかけ、前殿を造立したが、1725年2月上旬に野火に遭い、山の宮はほとんど焼失してしまったが、霊像は幸いにして恙(つつが)なきを得、村民(池村)が新しい宮を造営した。
享保10年(1725)4月25日
千手院 →(東伊豆町奈良本の修験者。江戸時代の神社は修験者の支配域でもあります)
禰宜佐藤与右エ門(禰宜とは神社の役職)
豆州賀茂郡池村
大室山龍渓現住笑顔謹書之(龍渓院三世笑顔楳誾大和尚が棟札を書く)
池1-1-2 宝暦9年(1759)棟札
[棟札 表面]
奉勧請大室山淺間
大室山龍渓禅院現住慧海 謹誌書(龍渓院七世大心慧海大和尚が棟札を書く)
[棟札 裏面]
村民は新宮を建て、宝暦9年(1759)の5月20日に、社職の佐藤伝左衛門が当村と家内安全の祈願をした。
宝暦9年(1759)5月
千手院 →東伊豆町奈良本の修験者
神職 佐藤傳右エ門(神職は神社の役職)
豆州賀茂郡池村
池1-1-3 文化2年(1805)棟札
[棟札 表面]
奉勧請大室山淺間宮
大室山龍渓禅院現住宗 比丘鉄誌焉(時代から推察するに龍渓院十六世藏山顯宗大和尚が棟札を書いたと思われる)
[棟札 裏面]
村民は神宮を建てたが、元文元年(1736)に破損し、安永年中(1772-1781)に仮屋を造営するが、年月を経て破損し、今改めて建て直すものである。
文化2年(1805)6月
仙壽院→東伊豆町奈良本の修験者
世話人 名主 高橋傳左衛門
池1-1-4 天保15年(1844)棟札
[棟札 表面]
奉勧請大室山淺間宮
大室山龍渓禅院現住祖傳比丘鉄誌焉(龍渓院十九世別峯祖傳大和尚が棟札を書きました)
[棟札 裏面]
池1-1-3 文化2年(1805)棟札とほぼ同じ内容
天保15年(1844)6月
泉壽院→東伊豆町奈良本の修験者
世話人 名主 桂助
以上
[気付いた点]
調べてみると気付いた点として、
①江戸期棟札に現在の祭神の磐長姫(いわながひめ)の記載が無い
①については、浅間信仰の浅間の祭神の呼び名が時代により変化していったことからも分かるようです。
福慈神や不尽神→奈良時代末から火山活動が活発化し火山神(諸説有り)として浅間大神あさまのおおかみ→神仏習合にて浅間大菩薩せんげんだいぼさつ(本地仏 大日如来)→木花咲耶姫コノハナサクヤヒメ(神社により富士山の対比として祭神が磐長姫イワナガヒメの神社がいくつかある)
↑名前は違っても同じ神様だと考えられています
浅間神と木花咲耶姫命が同一視されたのには木花咲耶姫の出産が関係している。
訓読みの「あさま」は古称で、もう1つの称である音読みの「せんげん」は中世以降から用いられたとされる。
最後になりますが、下田市上原美術館学芸員様から、棟札記載内容についての意訳や伊豆における江戸期神仏習合時代の状況など専門的な知識を教えていただきました。誠にありがとうございました。
参考資料
『伊東市の棟札』伊東市教育委員会
直書き・書き置き
※直書きの場合、お時間いただきます。
御朱印頒布受付
9時〜15時迄 不定休
伊豆高原
大室山龍渓院:静岡県伊東市池464
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龍渓院にて頒布中!
①季節により大室山の色が変わります
②直書きと書き置きがございます
[大室山浅間神社信仰の歴史について]
江戸時代は神仏習合(しんぶつしゅうごう)の時代でした。棟札写真資料から調べると江戸時代の龍渓院住職が大室山浅間神社の棟札を書いています。棟札には、龍渓院(寺院)と修験者(修験道)と禰宜(神社の神職)の僧名などが記載されています。江戸期は、寺が神社も支配下においていた時代です。この三寺社が融合していたようです。現在とは全く違った信仰体系でした。
以下に棟札の内容を記載します。
棟札(むなふだ)とは?
神社仏閣に関するものの修理などの記録
神仏習合(しんぶつしゅうごう)とは?
日本土着の神祇信仰と仏教信仰が融合し一つの信仰体系として再構成された宗教現象。神仏混淆(しんぶつこんこう)ともいう。
【大室山浅間神社棟札について】
大室山浅間神社の最古の棟札は享保10年(1725年)。江戸期の棟札は4体あります。棟札は同じ内容が重複していますのでその部分は除き、意訳でここに記します。
池1-1-1 享保10年(1725)棟札
[棟札 表面]
奉修大室淺間大菩薩
[棟札 裏面]
大室山は、村民の口伝の説によると、古くに霊峰が湧出したという。峰の頂には、富士浅間の神を勧請するが、その始まりは、いつなのかは分からない。承応3年(1654)、松平兵庫守(この人物については不明。松平信綱か)が参礼し、この山を再造営した。その後、月日が移り、壊れてきたため、禰宜の佐藤氏(この当時の禰宜は池村の古参の方が役をしていたか)が遠近の村や里に呼びかけ、前殿を造立したが、1725年2月上旬に野火に遭い、山の宮はほとんど焼失してしまったが、霊像は幸いにして恙(つつが)なきを得、村民(池村)が新しい宮を造営した。
享保10年(1725)4月25日
千手院 →(東伊豆町奈良本の修験者。江戸時代の神社は修験者の支配域でもあります)
禰宜佐藤与右エ門(禰宜とは神社の役職)
豆州賀茂郡池村
大室山龍渓現住笑顔謹書之(龍渓院三世笑顔楳誾大和尚が棟札を書く)
池1-1-2 宝暦9年(1759)棟札
[棟札 表面]
奉勧請大室山淺間
大室山龍渓禅院現住慧海 謹誌書(龍渓院七世大心慧海大和尚が棟札を書く)
[棟札 裏面]
村民は新宮を建て、宝暦9年(1759)の5月20日に、社職の佐藤伝左衛門が当村と家内安全の祈願をした。
宝暦9年(1759)5月
千手院 →東伊豆町奈良本の修験者
神職 佐藤傳右エ門(神職は神社の役職)
豆州賀茂郡池村
池1-1-3 文化2年(1805)棟札
[棟札 表面]
奉勧請大室山淺間宮
大室山龍渓禅院現住宗 比丘鉄誌焉(時代から推察するに龍渓院十六世藏山顯宗大和尚が棟札を書いたと思われる)
[棟札 裏面]
村民は神宮を建てたが、元文元年(1736)に破損し、安永年中(1772-1781)に仮屋を造営するが、年月を経て破損し、今改めて建て直すものである。
文化2年(1805)6月
仙壽院→東伊豆町奈良本の修験者
世話人 名主 高橋傳左衛門
池1-1-4 天保15年(1844)棟札
[棟札 表面]
奉勧請大室山淺間宮
大室山龍渓禅院現住祖傳比丘鉄誌焉(龍渓院十九世別峯祖傳大和尚が棟札を書きました)
[棟札 裏面]
池1-1-3 文化2年(1805)棟札とほぼ同じ内容
天保15年(1844)6月
泉壽院→東伊豆町奈良本の修験者
世話人 名主 桂助
以上
[気付いた点]
調べてみると気付いた点として、
①江戸期棟札に現在の祭神の磐長姫(いわながひめ)の記載が無い
①については、浅間信仰の浅間の祭神の呼び名が時代により変化していったことからも分かるようです。
福慈神や不尽神→奈良時代末から火山活動が活発化し火山神(諸説有り)として浅間大神あさまのおおかみ→神仏習合にて浅間大菩薩せんげんだいぼさつ(本地仏 大日如来)→木花咲耶姫コノハナサクヤヒメ(神社により富士山の対比として祭神が磐長姫イワナガヒメの神社がいくつかある)
↑名前は違っても同じ神様だと考えられています
浅間神と木花咲耶姫命が同一視されたのには木花咲耶姫の出産が関係している。
訓読みの「あさま」は古称で、もう1つの称である音読みの「せんげん」は中世以降から用いられたとされる。
最後になりますが、下田市上原美術館学芸員様から、棟札記載内容についての意訳や伊豆における江戸期神仏習合時代の状況など専門的な知識を教えていただきました。誠にありがとうございました。
参考資料
『伊東市の棟札』伊東市教育委員会
直書き・書き置き
※直書きの場合、お時間いただきます。
御朱印頒布受付
9時〜15時迄 不定休
伊豆高原
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