南市恵昆須神社のお参りの記録(1回目)
奈良県近鉄奈良駅

南市恵昆須神社は、奈良県奈良市南市町に鎮座しています。最寄りの近鉄奈良駅からは徒歩10分ほど、JR奈良駅からは徒歩15分ほどの距離で、猿沢池のすぐ近くに位置します。奈良町の散策とあわせて訪れるには、非常に便利な立地にあるといえるでしょう。

私が足を運んだのは朝方で、まだ人の姿もまばらな時間帯でした。猿沢池の水面は、普段よりもいっそう穏やかに感じられ、都会の喧騒から隔たれたような落ち着きに包まれます。奈良町という歴史を感じさせる町並みに囲まれて佇む境内は、朱色を基調とした鳥居や社殿が特に印象的で、古い町家と調和しながらも鮮やかな存在感を放っていました。その光景は、早朝ならではの澄んだ空気と相まって、心を静めてくれるものです。

由緒によれば、御祭神は事代主命で、創建は奈良時代に遡ると伝えられています。春日大社の末社にあたり、古くから地域の人々に篤く信仰されてきました。普段は落ち着いた雰囲気に包まれていますが、毎年初戎の折には大勢の参拝者で賑わい、商売繁盛を願う声が絶えないといいます。同じ神社でありながら、訪れる時期や時間帯によってまったく異なる表情を見せてくれるのも魅力の一つです。

また、この地域では12月の第二日曜日に奈良マラソンが開催されます。境内周辺の道路も多くのランナーで彩られ、日頃の静けさとはまるで別世界のような活気にあふれるのです。観光、参拝、そして市民行事と、さまざまな楽しみ方ができるのが南市恵昆須神社とその周辺の特色といえるでしょう。