福満寺のお参りの記録(1回目)
長野県聖高原駅

今回は長野県(中信、南信地区)の寺院巡りです。先ずは東筑摩郡麻績村に在る布光山 福満寺です。余談ですが長野県在住の方を除いて、麻績村を「おみむら」と読める方は少ないと思います。
天台宗で、本尊は薬師如来。
この本尊・薬師如来坐像は重文。脇侍の日光・月光菩薩立像、不動明王立像、毘沙門天立像も重文で、四天王立像、金剛力士像、賓頭盧尊者坐像、千手観音坐像は村指定文化財です。
こちらは20年程前から無住で、収蔵庫は地区管理となっており、仏像拝観に際しては麻績村教育委員会経由で総代さんに事前予約が必要です。尚、千手観音坐像のみは本堂に安置してあり、本堂は元住職の奥様が管理されており、ご多忙で日中不在のため拝観は極めて難しいとの事です。
総代さんに開帳はありますか？とお訊きした所、「12/31～翌1/1と5/3に本堂含めて開帳される。」との事でした。(千手観音坐像を観たいのでもう一度行かねば。)

849年に慈覚大師・円仁が東国巡化の折、当地に入った際に道に迷ったが霊光が現れて進路を示した。すると一本の巨木が横たわっていて、その木から尊像を造り、一字を建立して、信者に福満無量ならんことを願って福満寺と名付けたと伝わります。創建当時は、現在地の北方1.5kmほど登った聖山の中腹に七堂伽藍を擁し、天台修験の道場として12房あり、大いに盛えた。山崩れか衰微により1688年に現在地に移った。祈祷寺のため檀家を持たないが、地域の方々により護られています。

中央道→長野道を麻績ICまでひた走り(手前の筑北PAから念のために連絡)、何とか約束時刻に間に合いました。既に総代さんはいらっしゃっていて誠に恐縮です。
それにしても涼しい。総代さんは長袖、私は半袖。標高が1,000m近くあるそうです。
教育委員会から拝観料は500円と聞いていたので先ずは拝観料をお支払い。早速、ご案内頂きました。
参道を少し上がると仁王門、阿形・吽形の金剛力士像(村指定文化財)を安置、雨風をしのぐビニールが有って光が反射して見辛いですが顔を押し付けて何とか。緻密な彫りではありませんが迫力たっぷり。仁王門をくぐると護摩堂。収蔵庫が出来る前は薬師如来像はこちらに安置してあり薬師堂と呼んでいたとの事。堂内は確認出来ませんでしたが、現在は縁日や法要で護摩炊きを行っているそうです。護摩堂の奥に旧収蔵庫が残っていました。(未撮影)
護摩堂の左奥に大きめの収蔵庫(瑠璃殿)、15年程前に完成し旧収蔵庫から仏像類を運び込びました。鍵を開けて頂き、中に入ると多数の仏像が並んでいます。仏像好きには堪りませんね。
中尊は薬師如来坐像、脇侍は日光・月光菩薩立像、その脇に不動明王立像と毘沙門天立像、後ろ側の左右に2躯ずつの四天王立像、賓頭盧尊者坐像、左右の壁に6躯ずつの十二神将像とフルセットです。その中の日光・月光菩薩立像のお顔はどこかで見た覚えがあり、善光寺仏師・妙海の作でした。妙海作とわかっている仏像は、長野県内5ヶ所に9躯あります。辰野町·上島観音堂の十一面観音像、松本市·上波田阿弥陀堂の金剛力士像、朝日村·光輪寺の日光・月光菩薩像、安曇野市·光久寺の日光・月光菩薩像とこちらの日光・月光菩薩像です。
収蔵庫内に御札とか御朱印がありましたので御朱印を頂きました。
失礼ながら、こんな片田舎によくもまあ遺ったものです。地元の方々の信仰心が篤かったのでしょう。末永く後世に遺される事を祈ります。