當松影寺は開基日浄上人太平洋戦争末期戦火を避けて此の地に移住されしに創る。時に国土は焦土と化し国家滅亡寸前の惨状を呈し、上人之を深く憂い高祖大士弘安の役に国難を祈祷遊ばされし富士山上に神風祈願を発願、日頃薫陶を受けし若干の信者一死報国の誠を捧げ昭和20年7月富士山経ヶ岳に馳せ登り日夜本因下種の妙法を口唱すること37日、8月15日終戦の詔勅下り平和神風の現證を感得す。尓来仏立開導の正流を長く伝え弘め長松堂みの影を末の世に蒙らしめんものと念願。其の寓居を松影堂と号する。即ち「ふるさとの加茂の川辺にいろかへぬ　松のみとりの影をうつして」詠じ上人の徳を慕い寄る信徒を教導さる。之れ松影寺の前身也。昭和22年6月14日、上人安詳として化を寂光に遷さる。同年11月松影寺と寺号を公称して今に至る。

日浄上人