てんしょうだいじん
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楽しみ方天照大神のお参りの記録一覧

天照大神は神奈川県横須賀市長沢の高台に鎮座する、天照大神(あまてらすおおかみ)をお祀りする神社。この地域の総鎮守として篤い信仰を集める存在で、普段の生活にそっと寄り添うように、その静かな威容を保っています。
最寄り駅は、京急久里浜線のYRP野比駅。そこから徒歩で向かえば約25分ほどの道のりですが、足に自信のない方や時間を節約したい方は、同駅から出ているバス(通信研究所行き/市民病院行き)に乗るのが便利です。いずれも所要は5分ほどで、「みのり橋」停留所で下車。そこからさらに徒歩8分ほどで神社へとたどり着けます。
なお注意点として、通信研究所行きでも「YRP経由」の便は「みのり橋」には停まりません。バスを利用する際は行き先表示や運行ルートにご注意を。現地で迷うことは少なく、みどり橋バス停には背丈の倍はあろうかという立派な社名碑が建っており、その横道に入れば、すぐに要所ごとに案内掲示も整備されています。
実は恥ずかしながら、私はこれまでずっと、「あまてらすおおみかみ」と社名を読み間違えていました。正しくは「てんしょうだいじん」。まさに“神様の中の神様”と呼ぶにふさわしい、日本神話の中心に座する存在です。
今回はYRP(YRP野比駅ではなく研究機関が立ち並ぶYRP)方面から徒歩での参拝。しばらく歩くと、前方に目立つものが見えてきました。それは、「長沢総鎮守」と白字で記された朱色の幟(のぼり)たち。風にたなびき、参道を示すかのように立ち並ぶその様子は、視覚的にもとても印象的で、これから始まる参拝への期待を高めてくれます。
参道へ入ると、いきなり長い石段が待ち構えています。ちょうど日が傾きかけた時間帯で、急激に暗さが深まっていく瞬間。最初の数段を上がると、一の鳥居が姿を現し、その先はまるで木々に包まれたトンネルのよう。空気も日中の日差しはどこえやら。光の届かない中を進むには、スマートフォンのライトが必要になるほどで、まるで自然の中の幽玄な異界に足を踏み入れたような感覚さえ覚えます。まさに“お化け屋敷”を彷彿とさせる暗さに、足取りも慎重になります。
そんな薄暗い階段を一歩一歩登っていくと、ようやく二の鳥居が見えてきます。ここまで来ると、もう社殿はすぐそこ。空気の重みがすっと軽くなり、道もなだらかな平坦に変わります。参道の両脇には灯籠が並び、その間を通って三の鳥居をくぐると、ようやく神前へとたどり着きます。
社殿のある境内は、仄暗い中にもほんのりと灯りが灯されており、まるで夜の守り神が静かに佇んでいるかのような、厳かで穏やかな雰囲気に包まれていました。手水舎の水は、水道の蛇口をひねるときちんと出てきたのも印象的。たまに見かける、蛇口が外されていて水が使えない手水舎もありますが、やはり水が出るというのは心身の清めとしてもありがたいものです。
御祭神はもちろん、天照大神。境内に建つ由緒碑には、「伊勢の神官より御分霊を勧請」と明記されており、格式の高さを感じさせます。また、社殿を含めた境内は平成11年(1999年)に全面改築されたとあり、清潔で手入れの行き届いた印象を受けました。境内には多くの方々の名前が刻まれた寄進碑があり、地域住民や氏子たちの深い信仰と情熱が強く感じられます。
また、この神社には駐車場スペースも完備されています。車でのアクセスも可能で、横浜横須賀道路の「佐原インター」から降りておよそ15分弱の距離。特に桜の季節には「通研通り」の桜並木が見事な花道となり、道中の景色もまた格別です。








最寄り「みのり橋バス停」。天照大神の幟が立つのは稔(みのり)橋

社銘碑

除夜の鐘が止み新年となった。初詣のため、静かに森の中に佇む小さな社へと向かいました。この天照大神、普段は人の往来はほとんどなく、まるで時が止まったかのように静まり返った場所にあります。しかし、正月三が日を迎えると、その様相は一変します。社殿へと続く登りの石段には、臨時の灯りが一つひとつ丁寧に設置され、暗がりの中に煌々と光が差し込んでいました。その灯りはまるで参拝者一人ひとりの道を優しく照らすようで、どこか人の温もりを感じさせるものでした。
参拝に訪れていたのは、ほとんどがこの地に長年暮らす地元の方々だったのでしょう。顔見知りらしき人々が時折言葉を交わしながら、ゆっくりと階段を登っていく様子が印象的でした。中には足元を気にしながら、一歩一歩ゆっくりと、慎重に階段を登る高齢の方もいらっしゃいました。その姿を見て、「そこまでしてでも初詣に来られるのは、きっとこの神社が、そしてこの地で迎える新年という行為そのものが、その人の人生に深く根付いた習慣なのだろう」と、私は自然とそんな思いを巡らせました。
やがて社殿へと辿り着き、神前にて静かに手を合わせ、新年のご挨拶と感謝の気持ちを心から伝えました。冷えた空気の中で手を打つ音は、周囲に澄んだ響きを持って広がっていきます。参拝を終えると、氏子衆の方から参拝記念として立派な菜箸を頂きました。木の温もりを感じるその箸は、飾り気はないものの、手にしっくりと馴染むような、丁寧に作られたものでした。それを受け取ったとき、自然と頭が下がり、「このようなお心遣いをいただけることにもまた感謝しなければ」と、心が温かくなりました。
新年の朝の澄んだ空気と、地元の人々の穏やかな笑顔、そしてささやかでありながら心に残る神社での体験。菜箸はきっと、これからの一年、食卓で使うたびにこの初詣のひとときを思い出させてくれることでしょう。丁寧に、大切に、心を込めて使わせていただきます。

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